まん延防止措置 新局面に適応した対策を

04月03日 09:25

 政府は5日から、新型コロナウイルス緊急事態宣言に準じた「まん延防止等重点措置」を宮城、大阪、兵庫の3府県に初適用する。大阪、兵庫で宣言が解除されて1カ月、首都圏を含む全面解除から2週間で、コロナ対策は再びブレーキを踏む局面に戻った。

 大阪府と兵庫県は2月末、経済を重視して期限より1週間早い解除を実現させたが、直後から感染再拡大が始まった。年度末に行事が多いことは当初から懸念されていたが有効に対処できず、増加する変異ウイルスの対策も不十分だった。宮城県では、外食需要の喚起策「Go To イート」の再開を急いだことが再拡大につながったとの声もある。

 感染の再拡大は他の地域でも起きると考えるべきだ。熊本県でも3月後半以降、「県外由来」とみられる感染例が相次ぎ、変異ウイルスに感染した可能性がある患者の確認も続いている。

 第4波は第3波を上回るとも予想されている。政府と自治体には、宣言解除とリバウンドの因果関係を専門家と速やかに検証し、新たな局面に適応した対策を講じてもらいたい。

 大阪府の吉村洋文知事は宣言の解除後、段階的に経済活動を正常化する意向だった。だが、感染者数は瞬く間に急増。1日当たりの新規感染者数は東京都を超え、感染状況指標の一部はステージ4(爆発的感染拡大)に入った。感染者は10~30代が中心だが、重症化しやすい高齢世代に波及すれば1月ごろのような厳しい医療逼迫[ひっぱく]に再び陥るとみるべきだ。

 関西では感染力の高い変異ウイルスが主流になりつつある。保健所や医療機関は変異ウイルスとそれ以外の感染者を分けて対応するため、増加を止めなければ医療逼迫が一気に深刻化しかねない。

 政府は宣言全面解除の際、あるべきリバウンド防止の考え方を公表した。1月に宣言発令に至ったのは、感染状況がステージ3(感染急増)となった昨秋の時点で機動的に対策を発動できなかったことが原因として判断基準の見直しを表明。無症状者の調査や変異株検査の強化、感染者が第3波ピーク時の2倍になる事態を想定した病床確保計画を打ち出した。

 第3波を防げなかった反省に立ったもので、今までの延長線上にない対策となるはずだった。だが現実には、検討が進む前に第4波に直面せざるを得なくなった。

 まん延防止等重点措置は、緊急事態宣言に至る前に感染拡大を抑えるため、新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に新設された措置だ。知事は、飲食店へ営業時間短縮などの命令を出すことができ、命令に従わない事業者には過料を科す規定もある。

 ただ、こうした措置では前回までの宣言時に講じた対策の域を出ない。アクセルとブレーキを数カ月ごとに踏み換えるだけでは、コロナ慣れ、自粛疲れを招いて対策の効果が薄まる恐れさえある。地域の声にも耳を傾け、実情に合った説得力ある対策を示すべきだ。

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