ミャンマー情勢 看過できない国軍の暴走

04月01日 09:26

 ミャンマー国軍がクーデターで全権を掌握してから、きょう1日で2カ月となる。この間、民主主義が暴力によって奪われたことへの国民の根強い抵抗運動に、国軍は一貫して強硬姿勢で対応。無差別発砲などによって既に500人以上が犠牲になった。

 本来守るべき非武装の国民を、国軍が殺害するとは、看過できない暴走である。エスカレートする一方の武力行使の一刻も早い停止へ、国際社会は一致して圧力を強める必要がある。

 3月27日の「国軍記念日」では、各地で治安部隊がデモ参加者らを銃撃し、100人以上が犠牲となった。地元メディアの報道によると、5歳児や7歳児など子どもも複数含まれるという。デモに対してだけでなく、民家内の住民や、すれ違っただけのバイクの若者らにも発砲したと伝えられている。これはもはや、治安維持の域を大きく超えた虐殺である。

 こうした事態を受け、日米欧など12カ国の軍や自衛隊制服組トップは、ミャンマー国軍の武力行使を非難。「軍隊は国民を保護する責務がある」との共同声明を出した。軍の普遍的な行動規範からも外れた非道な振る舞いであるとの指摘であろう。

 しかし、ミャンマー国軍はこのような国際的非難を受け止める姿勢を見せていない。「国軍記念日」の記念式典では、国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官がデモを強く非難し、クーデターを正当化する従来の主張を繰り返した。

 加えて見過ごせないのは、日本を含め多くの国が参加を見送ったこの式典に、中国とロシアの代表が出席したことだ。国連安全保障理事会はミャンマー国軍に対し、「デモ参加者への暴力を強く非難する」との議長声明を発表しているが、常任理事国である両国の参加は、明らかにこの声明の効力をそぐものである。

 強硬姿勢を固持するミャンマー国軍を支えるかのような両国、とりわけ中国に対しては、ミャンマー国民からの反感も急速に高まり、現地の中国企業への襲撃も相次いでいる。非人道的行為の容認は、決して自国の国益とならないことを中ロは自覚すべきだ。日本時間のきょう開かれる予定の安保理の緊急会合では、一致して議長声明より強い措置を打ち出すことを求めたい。

 日本政府はミャンマー国軍に対し、「強い非難」を繰り返し表明してきたものの、米欧などが既に発動した制裁措置については、慎重姿勢を示している。伝統的に保持してきた国軍との独自のパイプを重視しての配慮のようだが、その中途半端な対応ぶりには、ミャンマー国民からも失望の声が上がり始めているという。

 日本はミャンマーへの最大の援助国である。政府開発援助(ODA)の既存事業の停止も辞さないとの姿勢を示した上で、武力行使の停止、そして民主制度の回復に向けて、国軍との実効性ある対話につなげてもらいたい。

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