2月26日付

02月26日 09:16

 接待問題に絡み、家庭や職場で思い出話に興じた方も多いのでは。人生で最高額の食事は幾らだったか、と。ある人は大切な家族の祝い事、ある人はプロポーズする際の勝負ディナー。舞台は人それぞれだが、少なくとも小欄の周りに「7万4千円余」などという御仁[ごじん]はいなかった▼菅義偉首相の長男が勤める放送事業会社との違法会食で、総務省は職員11人の処分を決めた。これとは別に、総務審議官当時に接待を受けた山田真貴子内閣広報官は菅首相から厳重注意され、月給の6割に当たる70万5千円を自主返納する▼山田氏が受けた接待が、お一人さま約7万4千円の飲食だった。メインのメニューは和牛ステーキと海鮮料理。いったいどんな店なのか、と下世話な想像も膨らむ▼山田氏は昨日の衆院予算委員会に出席し、会食の席で事業に関する働き掛けはなかったとしつつも「心の緩みがあった」と謝罪した。首相の記者会見をそつなく仕切っている時とは異なる、たどたどしい答弁だった▼総務省は、一連の接待について「行政がゆがめられることがなかったか改めて確認する」としている。だが、ゆがめられたかどうかは別としても、そのような接待が官僚にとって「当たり前」なのかという驚きと不信は消えない▼視線を県内に戻すと、コロナ禍で困窮する大学生や高齢者が物資の無料配布に列を作っている。度重なる災禍で生活再建の見通しが立たない被災者も多い。接待がまかり通る世界とのあまりの食い違いに暗たんたる思いが募る。

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