2月25日付

02月25日 09:09

 「みずほ」や「はやぶさ」といえば今は新幹線の名称だ。そのため、かつて熊本と東京を結んでいた寝台特急にすぐ結びつける人は少なくなったかもしれない▼主に学生時代に帰省で利用していた身からすると、いつまでたっても寝台特急の名だ。これらの列車名からは、当時の情景が走馬灯のようによみがえってくる▼1929(昭和4)年、東京と下関を結んでいた特急が「富士」と「櫻」[さくら]と名付けられた。これを皮切りとして、名前の付いた列車が全国に広がっていく。ほとんどの人にとって、こうした列車に乗るのは非日常のことだったに違いない。その時の記憶は、列車名とともに深く刻み込まれたことだろう▼九州でおなじみの名前といえば「有明」である。JR九州によると、国鉄時代の50年に準急列車としてお目見えした。67年に門司港-西鹿児島を結ぶ特急に格上げされ、九州内の往来を支える列車として活躍してきた▼しかし、新幹線開業や相次ぐ観光列車の誕生の陰に隠れ目立たなくなり、現在は平日に大牟田から博多へ行く上り1本だけになっている。とうとう来月のダイヤ改正で役割を終え、「有明」という名前も消えてしまう▼さまざまな人生を運んできたこの列車には幾多の物語が詰まっていよう。JR九州が思い出の写真やエピソードを募集している。自分自身にこれといったものがあれば応募したいところだが、どんな作品が集まるのか楽しみだ。鉄道にまつわる思い出を持つ者として、共感できる話があるはずだから。

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