感染抑止へ「仕方ない」 熊本県独自の緊急事態宣言 福岡受験に不安の声も

熊本日日新聞 | 01月14日 16:00

通町筋バス停で乗客を乗せる福岡行きの高速バスひのくに号=13日午後、熊本市中央区(池田祐介)

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が福岡県にも再発令された13日、熊本県も県内全ての飲食店を対象に午後8時までの営業時間短縮などを要請する独自の宣言発令を表明。感染拡大の抑止を願う県民からは好意的に受け止める声が上がる一方、飲食店関係者からはため息も漏れた。

 「電車内では朝の時間帯でもマスクをしていない人が散見される」。熊本市中央区のホテル清掃員、松原かず代さん(70)は宣言を切望。親戚宅を訪ねるため、同市中央区を訪れた合志市の介護士、鶴田弘志さん(45)は「遅過ぎたと思うが、政府に先んじての発令は適切な判断だと思う」と、県民が危機感を共有することに期待した。

 県の時短要請は18日に熊本市中心部の酒類提供店から県内の全飲食店に拡大。同市北区で居酒屋を営む後藤治武さん(55)は「午後8時までの時短営業はいつまでも続けられない。ここでなんとか感染者数を減らさないと…」と祈るように語った。同市中央区の「料理茶屋山の庄」店主、庄山諭さん(69)も「影響は大きい。何か対策を考えなければ」と悩ましげだ。

 昨年末から既にキャンセル続きという八代市本町の焼き肉店「味道園」店主の岡本康一さん(71)は「要請は仕方ない。みんなで耐えて状況が良くなってほしい」とため息交じりに笑った。

 一方、同市本町のショットバー「ココペリ」店長の板井紗百合さん(35)は「店を開けていても誰も来ないし、支援金もない。協力金を伴った要請が出るのを今か今かと待っていた」と歓迎した。

 客の半数以上が福岡県からという南関町の特産品センター「なんかんいきいき村」の塩山治男代表(70)は、売り上げの1~2割減を覚悟。大牟田市からの客が2~3割という荒尾市の居酒屋「喰堂」店主、丸尾淳一さん(50)は「客足は遠のいたままだが、これまで通り感染対策を徹底した上で営業を続けていくしかない」と話した。

 玉名市の「玉名温泉つかさの湯」の田中慎也副支配人(45)は「対策を徹底し、温泉だけでも営業を続けられるよう模索していきたい」。

 熊本市と福岡市を結ぶ高速バス「ひのくに号」。運行する九州産交バス(熊本市)は昨年9月から減便ダイヤで運行しているが、担当者はさらなる減便の可能性にも言及した。

 昨年から熊本市の大学予備校の寮に入り、勉強に励んできた宮崎県小林市の木場隼平さん(19)は2月1日、志望大学の入試を福岡会場で受ける予定だ。緊急事態宣言下での受験は不安だが、「当日は余計なことを考えないようにして、獣医師になる夢をかなえ、畜産農家の実家を支えたい」と目標を語った。(新型コロナ取材班)

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