熊本城の復旧「見届けたい」 彦根市から熊本市職員転身 39歳、思い熱く

熊本日日新聞 | 01月12日 11:30

「熊本城の復旧を見届けたい」と滋賀県彦根市職員から熊本市職員に「転身」した下高大輔さん=熊本市中央区

 滋賀県彦根市の教育委員会から熊本市に派遣され、熊本城の復旧工事に携わってきた下高[しもたか]大輔さん(39)は2020年4月、市の社会人枠の文化財担当職員「第1号」として採用された。「熊本城の復旧を見届けたい」との熱い思いが、彦根市から熊本市職員への転身という人生の大きな決断を後押しした。

 地震直後に城内を2回視察し、目を覆うほどの甚大な被害に圧倒された下高さん。「熊本城はこれから最先端の復旧工事が進む現場になり、さまざまな知識を持った人が全国から集まる。彦根市での仕事にも役立つはずだ」と熊本市への派遣を希望し、18年から市熊本城調査研究センターで勤務し始めた。

 転機は19年春。市政だよりで、文化財担当の社会人採用試験があることを知った。彦根市教委の職員として担当していた彦根城などの史跡保護や、慣れ親しんだ滋賀県での暮らしを手放すのに迷いはあった。だが、熊本城への思いが勝った。

 小学5年生の時に見たNHK大河ドラマ「信長」の影響で織田信長に興味を持ち、信長が築城した安土城に熱狂。奈良大では考古学者の故水野正好さんに師事し、遺構保護の重要性を学んだ。

 被災した熊本城を見て「本当になおるんかいな」と感じた。しかし実際に復旧工事に携わり、一歩一歩前に進む手応えを実感。あらためて史跡保護の大切さをかみしめている。

 城は石垣や櫓[やぐら]、礎石、出土する遺物などで複合的に構成されている。「これらを併せて研究し、突き詰めて歴史の真実に近づくこと」がモットー。

 「史跡は現代人だけでなく、後世の人のものでもある。いかにそのまま、次の世代に伝えられるか…。それが自分の仕事だと思っています」(飛松佐和子)

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