
熊本市と熊本日日新聞社は、熊本地震で被災した熊本城の復旧の歩みを追う「復興 熊本城」の第4巻を刊行した。来年4月26日に内部の一般公開が始まる天守閣の工事や調査研究の成果を詳しく紹介している。
市は天守閣を「復興のシンボル」と位置付け、ほかの櫓[やぐら]や石垣に先駆けて工事を進めてきた。耐震補強の概要や新造したしゃち瓦を含む屋根の改修、内装工事について解説。天守閣入り口のスロープや車いす用エレベーターといった新たなバリアフリー施設も掲載した。
石垣の復旧工事では、西出丸の西大手門周辺や奉行丸南東隅、数寄屋丸南面など6カ所の崩落石材の回収について報告。崩落状況や平面の観察内容、構造をまとめた。調査研究の成果として、天守閣出口にある附櫓[つけやぐら]の江戸期の石垣のほか、飯田丸五階櫓の石垣内部の詳しい状況、そこに埋没していた江戸期の石垣など新たな発見を挙げている。
売り上げの一部は熊本城復元整備基金に充てる。1100円。(飛松佐和子)