「また水害に遭うかも」 熊本豪雨の被災者、入居ためらう 復興住宅、3市村建設へ

熊本日日新聞 | 2020年12月15日 11:55

熊本地震後、県内で最初に完成した災害公営住宅(復興住宅)=2018年6月、西原村(上杉勇太、小型無人機で撮影)

 7月の豪雨で被災した熊本県八代、人吉、球磨の3市村が災害公営住宅(復興住宅)の建設に乗り出す。いずれも被災者の意向を把握して具体的な計画を練るとするが、球磨川の治水事業の方向性が示されなければ、住まいの再建先を決められない人もおり、建設戸数や規模はまだ見通せない。

 「もう年だから、これ以上は待てん」。球磨村の仮設団地に住む上蔀豊光さん(89)は苦悩を深める。妻サチ子さん(81)と入居して4カ月が過ぎた。生まれ育った地元の神瀬地区を離れ難いが、「また水害に遭うかも」と思うとためらいも。自宅を解体し、長男が住む名古屋市に移ろうかとも考える。

 復興住宅もいつ、どこにできるか分からない。「神瀬には建てる場所がない。帰りたいが…」と漏らした。

 宅地や堤防のかさ上げなど治水策の姿が先に示さなければ、自宅を再建するか復興住宅へ入居するかなどの判断は難しい。被災者の意向を踏まえなければ、復興住宅の整備計画の具体化も困難だ。

 球磨村は球磨川の氾濫などで全世帯の約3分の1が浸水被害を受けた。村外への流出も懸念され、村総務課は「できるだけ急ぎたいが…。住民の思いは地域との懇談会などで丁寧にくみ取りたい」としている。(臼杵大介)

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