住宅再建3割超「見通し立たず」 復興に「実感」格差も

熊本地震2年 被災者聞き取り調査

熊本日日新聞 | 2018年04月13日 00:00

 熊本日日新聞社は12日、熊本地震発生2年を機に実施した、住宅被害を受けた県内被災者への聞き取り調査の結果をまとめた。住まいを「再建・確保ができた」「見通しが立った」とする人が6割を超え、4割超だった「地震1年」の前回調査時を大きく上回る一方、依然として3割超が「見通しが立たない」と回答。「復興」についても実感する人と実感できない人はほぼ同じ割合で、被災者間で生じている復旧・復興の格差がうかがえる結果となった。

 調査は、100人を対象にした2016年10月と、これに50人を加えた17年4月に続く3回目で3月下旬に実施。前回と同じ被災者150人への継続調査の結果、21~87歳の137人から回答を得た。

 住まいについては、被災前の居住地に「戻りたい・戻った」は58%(79人)。再建資金や地盤などへの不安から「戻りたいけれど戻れない」22%(30人)、「戻りたくない」11%(15人)との回答もあった。実現・希望している住まいは「新築・再建するマイホーム」が66%(90人)で最多。「公営住宅」は11%(15人)、「賃貸住宅」は7%(10人)だった。

 再建・確保の状況を尋ねたところ、「再建・確保ができた」は36%(50人)で前回の17%から倍増。「見通しが立った」は前回と同じ26%(36人)だった。

 一方「見通しが立たない」は32%(44人)で、前回の50%から減った。ただ、3分の1もの被災者が「地震後に仕事を辞めたので収入が見通せない」「施工業者が見つからない」「業者が多忙で工事が進まない」「条件に合う土地がない」などの理由で足踏みが続いている。仮設住宅の原則2年の入居期間について、県は一定条件を満たす場合に限って1年延長を認める方針だが、被災者を取り巻く多様な事情が住宅確保に影響を与えていることが改めて浮き彫りになった。

 「復興」をめぐっては、「実感する」9%(13人)と「ある程度実感する」36%(49人)が合わせて45%。「実感できない」15%(21人)と「あまり実感できない」25%(34人)の計40%をわずかに上回った。(熊本地震取材班)

「健康」「仕事」に不安、急増

心身への負担重く

 熊本地震発生から2年となるのを機に熊本日日新聞社が実施した被災者への継続聞き取り調査で、健康や仕事の面で不満や不安を感じている人が1年前の前回調査に比べて急増していることが分かった。生活全般で不満や不安を感じる人の割合は大きく変わっていないが、依然として過半数。被災から2年を経過する中で、心身への負担などが増している被災者の実態が浮かび上がった。

 「現在の生活への不満・不安」に関して聞いたところ「ある」31%(43人)、「どちらかといえばある」23%(31人)は計54%で、前回56%よりわずかに減少。「ない」28%(38人)と「どちらかといえばない」14%(19人)は計42%で、前回40%に比べて微増にとどまった。

 不満や不安を感じていることを項目別(複数選択)にみると、最多の「住まい」43人は前回(48人)より減少。他の選択肢として挙げた「生活費」「移動(通勤通学など)」「買い物」は、いずれも前回に比べて増えていた。中でも「健康」23人は前回(8人)から3倍に増え、「仕事」20人も前回(11人)に比べて倍増した。

 理由を尋ねると「体調を崩して昨年1月に離職。入院中の父親を、夏に再建予定の自宅に連れて帰った後に復職したいが、めどが立っていない」=益城町の女性(55)、「地震のストレスで不整脈が出て、仕事や車の運転ができなくなった。生活費も貯金を切り崩している」=南阿蘇村の女性(61)、「体調が悪く、睡眠薬がないと眠れない日がある」=御船町の男性(73)=など、切実な声が上がっている。

 特に「健康」については、がんや脳梗塞など大病を患った家族が手術を受けたり、認知症の発症や悪化が重なって仮設住宅での生活に苦慮したりしているケースも。この2年間に調査対象者本人や家族が亡くなった世帯もあり、「夫を失って精神的につらい。心配を掛けたくないので元気に振る舞っているが、さまざまな感情を抑えている」=益城町の女性(68)=といった思いを打ち明けた人もいた。(熊本地震取材班)

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