被災マンションの復旧、熊本地震の教訓伝える オンラインセミナー

熊本日日新聞 | 2021年03月04日 16:00

熊本地震後のマンション復旧の教訓をオンラインセミナーで伝える県内管理組合の関係者=2月28日、熊本市中央区

 熊本地震から5年近く経過する中、被災したマンションの復旧を考えるセミナーが2月末、熊本と東京を結んでオンラインで開かれた。NPO法人県マンション管理組合連合会(熊管連)が講師役となり、地震の体験から得たマンション修理の教訓を東京の関係者にアドバイスした。

 「マンションの復旧は住民の合意形成次第。合意には資金の裏付けと、支援制度などの情報が欠かせない」

 熊管連の堀邦夫会長(71)は、熊本市中央区の事務所から画面越しに力説した。セミナーは首都直下型地震などに備える東京・江戸川区のマンション協議会(25管理団体)の要請で、1月に続き2回目の開催。熊本市や江戸川区の防災担当職員も参加し、官民で情報を共有した。

 熊管連のデータによると、熊本地震では同市内約750棟の分譲マンションのうち4分の3が「一部損壊」以下の被害だった。被害が小さなマンションへの公的支援は極めて限定的なため、堀会長は「修繕には管理組合による共用部分への地震保険加入が必須。住民は家財の地震保険に加入しておくことが望ましい」と助言した。

 一部損壊したマンションの理事長として復旧を主導した熊管連理事の奥田俊夫さん(72)も、同じく資金面の重要性を強調。地震後、住民の理解を得ながら修繕積立金を値上げし、専門家を入れて復旧工法を検討した結果、費用を当初の予定から約600万円減額できたと報告した。

 その減額分で長年の懸案だったオートロックなどが導入でき、「被災前より便利なマンションとして復興できた」という。

 セミナーの参加者らは、マンション修理に詳しい技術者の育成が全国的に必要との認識で一致。熊本市や江戸川区の担当者も「行政も勉強が必要だ。今後もこうした会で情報交換をしていきたい」と話した。(太路秀紀)

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