熊本県内45市町村「貯金」89億円減 20年度末、コロナや豪雨直撃

熊本日日新聞 | 2021年03月02日 07:40

 地方自治体の貯金に当たる財政調整基金(財調)について、熊本県内45市町村の2020年度末残高の合計が、前年度比で約89億円減少する見通しであることが1日、熊本日日新聞の調査で分かった。新型コロナウイルス対策や昨年7月の豪雨の直撃を受けた形。決算で最終的に額は変動するが、減少幅は熊本地震が起きた16年度の約76億円減を上回る可能性がある。

 県が毎年度まとめる市町村決算の概要などによると、県内市町村の財調残高の合計は08年度のリーマン・ショック以降、毎年度増加。15年度に1172億円に達したが、熊本地震後は減り続けており、20年度は1千億円を割り込む可能性がある。

 熊日の調査によると、45市町村のうち減少か減少見込みと答えたのは29市町村。増減なしか増加は11市町村だった。14市は、阿蘇市を除き減少とした。

 減少額が最大だったのは八代市の14億4100万円。新型コロナ対策で減収幅が大きい商工業者に支援金約3億2500万円を支出し、豪雨復旧にも約5億6千万円を充てた。「熊本地震でも約20億円を取り崩したことを考えると、今後の財政運営は厳しい」と市財政課は説明する。

 約14億円減の宇城市は、コロナ禍に対応するため市職員のテレワーク環境や小中学校のICT(情報通信技術)施設整備に8億5千万円を投じた。市財政課は「コロナの影響は今後も少なからず続く。事業の選別と集中を進める」と支出を切り詰める考えだ。

 豪雨で甚大な被害を受けた人吉市は支出が膨らみ、事実上ゼロとなっている。一方、ふるさと納税が好調な長洲町は2億円超を積み増す見込み。

 県立大総合管理学部の小泉和重教授(地方財政論)は「コロナの収束は見通せず、市町村の税収に影響する法人住民税や固定資産税など税収減は短期で収まらない。財調は今後も減ることが予想される」と話している。

 調査は2月上旬現在で、各市町村に取材してまとめたが、その後に見込み額が判明した自治体は追加・修正した。国から補助金が交付されたり、最終的に執行できない事業などが出たりするため、額は上下する可能性がある。(地域報道本部取材班)

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