コロナ患者の看護「3倍の人員必要」 心ない偏見や差別も 熊本県看護協会長

熊本日日新聞 | 2021年02月25日 10:00

もと・なおみ 1957年生まれ、熊本市出身。熊本大医学部付属看護学校卒、県立大アドミニストレーション研究科(看護管理専攻)修了。熊本大医学部付属病院(現熊本大病院)に勤務し、同病院看護部長を経て2018年県看護協会常務理事、20年から会長。認定看護管理者。63歳。

 看護職約1万6千人が加入する熊本県看護協会(熊本市)の本尚美会長に、新型コロナウイルス感染症への対応と、看護職が直面している課題について聞いた。(森紀子)

 -県内の感染確認から1年間、協会はどう対応してきましたか。

 「医療機関などの看護管理者を対象に昨年5月と7月、今年1月にアンケートをし、コロナ関連の困り事を把握して県や熊本市、国に要望してきた。医療機関や高齢者施設などで勤務する看護職を対象に『感染管理認定看護師』が感染対策を指導する研修会も随時主催しているほか、講師派遣の依頼に応じている。県内の感染管理認定看護師は58人。全国的に不足しており、養成が急務だ」

 -現場からどんな声を聞きますか。

 「第3波と重なった1月の調査では、人員不足や多忙によるストレス、疲弊を訴える声が目立った。コロナ陽性患者の看護は通常の3倍の人員が必要で、防護服での業務は3~4時間が限度。発熱外来などの業務が増えたほか、手袋やガウン、医療用マスクも依然不足している」

 「感染リスクが高まり、業務量も増える中、看護職は使命感を持って感染防止や診療の最前線で従事し、医療を支えている。応援や励ましをもらう一方で、子どもの登園を断られるなど心無い偏見や差別がある。コロナを理由とする離職者は予定も含めて39人の報告があった。残念だが、県内に約3万4千人いる看護職の大半は厳しい状況で必死に頑張っている」

 -出産などで現場を離れた潜在看護師に復職を呼び掛けています。

 「ホテルや自宅で療養する人の健康観察や電話相談、PCR検査など、看護職が必要とされる機会は増えており、これまでに県や熊本市と連携し、延べ116人に呼び掛けて37人を紹介した。4月以降に始まる住民向けのワクチン接種でも協力を求められている。休職中の方から『ワクチン接種なら協力できる』との申し出を受けている」

 「ただ、離職時の届け出が努力義務である現在の制度では潜在看護師の把握が難しい。医師や薬剤師と同様、看護職の有資格者を対象とした国の資格管理制度を創設してほしい」

 -県民に伝えたいことは。

 「新規感染を抑えることが医療現場への支援になり、中傷をなくすことにもつながる。不安を抱えながら懸命に使命を果たそうとしている看護職らを応援してほしい。協会も、県や県医師会、他職種との連携を強め、困難を乗り越えたい」

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