珍しい医師会系と公立病院の統合 くまもと県北病院、3月開院 診療科増、高度医療も拡充

熊本日日新聞 | 2021年02月25日 09:49

3月1日に開院する「くまもと県北病院」=玉名市

 熊本県北最大規模の基幹病院「くまもと県北病院」が3月1日、玉名市の九州新幹線新玉名駅北側に開院する。

 「救急から在宅医療まで幅広い分野で、これまで以上に安心かつ高度な医療サービスを県北地域に提供できるようになった」

 14日、玉名市玉名の「くまもと県北病院」であった竣工[しゅんこう]式で、来賓として駆け付けた蒲島郁夫知事は、蔵原隆浩市長はじめ周辺6市町から出席した首長らを前に、力強くあいさつした。

 県北病院は、公立玉名中央病院と玉名地域保健医療センター(いずれも玉名市)を統合して新設する県北最大規模の拠点病院。病床数は402と、医療費抑制のため国が進める病床削減方針を受けて統合2病院の合計より50床減らしたが、規模は2019年に移転新築した熊本市民病院(388床)を上回る。

 目玉は、診療体制の強化と拡充だ。両病院に25あった診療科目に加え、腫瘍内科、呼吸器外科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科口腔[こうくう]外科を新設。医師は、両病院の計61人から70人に増やす。新病院の運営に当たる地方独立行政法人「くまもと県北病院機構」の山下康行理事長(65)は、熊本大病院(熊本市)の副院長などを歴任。熊本大との連携強化を、新病院の能力向上に最大限に生かす考えだ。

 保健医療センターは地域の医師会立病院として発足した経緯があり、公立病院との統合は全国でも珍しい。かかりつけ医が担う地域医療と、大学発の高度医療をつなぐ役割も期待される。山下理事長は「両者の橋渡し役として、『ここに来れば安心』と住民に思ってもらえる新病院を目指す」と意気込む。

 屋上にはヘリポートも新設し、災害派遣医療チーム(DMAT)を保有する災害拠点病院として、救急、災害への対応機能も高めている。玉名中央病院が20年7月に導入した24時間体制の小児医療も継続する。

 新型コロナウイルス感染拡大時には、コロナ患者専用病床を最大56床設置できる。地域住民への安心、安全な医療提供を最大の責務とする県北病院。慢性疾患治療のため通院している男性(66)=玉名市=は「閉院する病院は、スタッフの対応は良くても狭くて古かった。駐車場も広くなる新病院は、車で通う患者への負担も少なくなる。診療科も増えるし、3月からさらに安心して通えそうだ」と期待を寄せる。(熊川果穂)

◇メモ
 くまもと県北病院 2013年、県有明保健所管内で唯一の地域災害拠点病院だった公立玉名中央病院が耐震基準を満たしていないことが判明した。県北地域の医療体制見直しと合わせた協議で、玉名地域保健医療センターとの統合が決まった。急性期から高齢者の在宅復帰まで幅広く対応する。初診には紹介状が必要。

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