ガソリンスタンドの廃業進む 熊本県内、ピーク時の半数に

熊本日日新聞 | 02月23日 16:00

昨年の豪雨で被災し、休業していたガソリンスタンド。ガソリン需要の回復が見込めないことなどから閉鎖を決めた=1月下旬、人吉市

 熊本県内のガソリンスタンドの廃業が止まらない。エコカーの普及などによる販売量の減少や経営者の高齢化などで、スタンド数(2020年3月時点)は694店と、ピークだった1995年度末の1446店の半分以下になっている。

 車の燃費向上や少子高齢化で、ガソリンの消費量は年々減少。国土交通省の自動車燃料消費量調査によると、19年度の県内のガソリン消費量は約84万キロリットルと、県別データがさかのぼれる13年度に比べて1割以上減った。

 販売量の減少に加えて、大手安売り店との競争も激化。廃業したスタンドはこの10年で約200店に上る。

 経済産業省資源エネルギー庁は、スタンドが3カ所以下の自治体を「給油所過疎地」と定義している。

 スタンドを住民の燃料補給のインフラと位置付けており、「各自治体に問題意識を持ってもらう」(同庁石油流通課)ためだ。県内には20年3月時点で水上村など8町村あり、公表を始めた13年の4町村から倍増した。

 県石油商業組合の三角清一理事長は「スタンドはガソリン以外に暖房用の灯油を供給したり、漁船の燃料の販売を担ったりして地域の生活を支えている」と強調。ただ政府が脱炭素社会実現のため、35年までにガソリン車の新車販売をゼロにする方針を示したこともあり、業界の先行きに強い危機感を抱く。

 事業環境に改善の兆しが見えない中、人吉市内にあったスタンド2カ所を閉鎖したのはスタンドやプロパンガス販売などを手掛けているライフサポート九州(熊本市)。

 いずれのスタンドも昨年7月の豪雨で浸水し、休業を余儀なくされた。「設備の更新に多額の費用が必要で、売り上げの回復も見込めない」と木庭健社長(57)。地域の人口が減り続け、豪雨後は地域外に転出した住民もいることから再開を断念した。

 スタンドで働いていた従業員のうち4人は同社が1月から始めた消毒・抗菌コーティング事業に携わる。

 新型コロナウイルスの感染者が出た企業の消毒などを手掛けており、木庭社長は「スタンドに限らず、経営環境は変わり続ける。変化にうまく対応したい」と話した。(丸山伸太郎)

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