熊本県内、9カ月で千人超え 新型コロナ、感染拡大のスピード早まる

熊本日日新聞 | 2020年11月28日 09:00

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 熊本県内の新型コロナウイルスの感染者が27日、累計千人を超えた。感染の初確認から9カ月余り。熊本市が半数を占める。増加のピークは「第2波」が県内に到来し、大規模クラスター(感染者集団)が拡大した8月上旬。ただ、10月、11月も約200人ずつ増え、感染拡大のスピードが早まっている。

 2月21日、県内で初めて感染が確認され、「第1波」で5月8日までに47人が感染。第2波が本格化した7月20日以降、長洲町の造船大手事業所で104人、山鹿市の介護老人保健施設で49人のクラスターも同時期に発生した。感染者は8月5日、公表日ベースで1日最多となる42人を確認し、累計321人に急増した。

 8月は月別で最も多い329人の陽性を確認。6日には入院患者数も最多の156人に上った。感染者の中にはお盆の時期に、熊本市中心部の繁華街を訪れた人も目立った。感染者は8月末で累計519人。

 9月は一転して感染者は55人に減ったが、10月は福岡県を上回る222人に急増。熊本市の繁華街のキャバクラ店で45人、ラウンジで11人のクラスターも発生した。10月末で累計796人に達した。

 11月も熊本市のほか、クラスターが発生した阿蘇市の病院や玉名市の通所リハビリ施設で感染者数が増え、27日で累計1005人となった。

 居住する市町村別では、熊本市が513人と半数を占め、玉名市86人、長洲町76人、山鹿市53人、荒尾市38人が続く。人吉市で2人、天草市で5人にとどまるなど、県南地域での感染は少ない。

 性別では、男性が59・3%(596人)と6割近くに上った。世代別でみると、30代が23・0%(231人)と最多。20代22・4%(225人)、40代15・2%(153人)と20~40代が全感染者の6割を占めた。

 入院患者やホテルで療養した人は、26日午前10時までに計903人。このうち、退院などによる療養解除は818人に上る。

 27日までに死亡したのは13人(男性10人、女性3人)。70代以上が11人を占め、50代と60代が各1人だった。(潮崎知博)

熊本県内の新型コロナウイルス感染状況一覧
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