古民家改装でホテル、商店街にオープン 熊本県甲佐町

熊本日日新聞 | 2020年11月14日 19:45

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築130年の古民家を改修したホテル「NIPPONIA甲佐 疏水の郷」=甲佐町

 築130年の古民家を改装したホテル「NIPPONIA(ニッポニア)甲佐 疏水[そすい]の郷[さと]」が14日、熊本県甲佐町中心部の商店街一角にオープンした。

 町の若手有志らでつくる一般社団法人「パレット」などが、全国で古民家再生事業を手掛ける企業「NOTE(ノオト)」(兵庫県)と共同で整備。ニッポニアの名を冠した古民家再生ホテルは全国で21カ所目で、県内では初めて。

 空き家になっていた木造2階建ての店舗兼住宅を改装。三つの客室は和風のメゾネットタイプで、庭園も設けた。農林水産省の補助を活用し、総事業費は約6900万円。

 「人と町とゆるやかにつながる宿」がコンセプト。川沿いの縁側を交流スペースとして開放し、パン店も併設している。

 宿泊客には無料で自転車を貸し出すほか、町内の提携店舗を訪れると、無料でコーヒーや和洋菓子、総菜をもらえる「ニッポニアパス」を発行。特典の費用は宿が負担する。いずれも町内を巡ってもらうための仕掛け。

 13日には、奥名克美町長や地元商工会の関係者ら約50人が出席して、現地で開業記念イベントがあった。

 パレット理事の米原賢一さん(38)は「地域が一緒に盛り上がる手段としてホテルを活用し、宿泊客にまた訪れたい、住んでみたい町と思ってもらえるようにしたい」と話した。(立石真一)