名物・大造り物「お色直し」 熊本県山都町の八朔祭、コロナで中止 昨年分を展示へ

熊本日日新聞 | 2020年11月9日 18:00

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八朔祭の大造り物を修復する仲町下連合組=山都町

 熊本県山都町最大の祭り「八朔[はっさく]祭」に登場する「大造り物」を作る連合組などが、昨年の造り物を修復している。新たに制作する来年の祭りまで展示。各連合組は「昨年から少し変化した大造り物を見てほしい」と呼び掛けている。

八朔祭は260年以上の歴史があり、大造り物の引き回しが最大の呼び物。今年は新型コロナウイルスの影響で祭りが中止になり、各連合組は新たに作らなかった。

 大造り物は祭りの後も展示され、多くの観光客が見物に訪れる。ただ、スギの皮やススキなど天然素材を使うため劣化が早く、次の祭りの準備を始める時に取り壊す連合組もあるため、来年の祭りまで展示できるように修復を決めた。

 町は造り物を制作したり、展示したりするための小屋の整備を進めており、今年は下馬尾と仲町下の両連合組に完成。ともに修復では、昨年の完成時とは違う姿に仕上げるという。仲町下の飯星英二代表(53)は「来てくれる人たちのため、いい大造り物にしたい」と意気込む。

 近年の八朔祭は、八つの連合組と矢部高、矢部小、町役場が計11基の大造り物を出している。町は本年度、今年唯一造り物を制作した矢部高と、七つの連合組、町役場に修復費用計306万円を補助した。(九重陽平)