有明海にノリ網広がる 熊本など3県、養殖の種付け開始

熊本日日新聞 | 2020年10月18日 20:30

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有明海でノリ網を張る漁業者=18日、熊本市沖

 有明海の養殖ノリの種付けが18日、熊本や佐賀、福岡の3県で始まった。熊本県内では16漁協の約300戸の漁業者らが海に出て、赤や緑など色とりどりのノリ網を張った。ノリの摘み取りは11月20日ごろから始まる見込み。

 熊本市南区の天明漁港では、川口漁協に所属する8戸の漁船が午前6時ごろから次々に出港。ノリ胞子が付いたカキ殻付きの網を海面に広げていった。

 家族らと約2200枚の網を張った橋本勝範さん(55)は「冷え込みが続き、近年にないほどの好条件だ」と声を弾ませた。

 県漁業協同組合連合会によると、昨季のノリ取扱高は前季比11%増の112億3700万円、販売枚数は7%増の8億3700万枚。藤森隆美会長は「昨季は種付け直後の少雨などで大不作を覚悟したが、生産者の努力で挽回できた。今年は好天を祈りたい」としている。(福山聡一郎)