ホンダ熊本、第1代表に 都市対抗野球九州予選 5年連続の本大会出場へ

熊本日日新聞 | 2020年10月16日 08:30

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【第1代表決定戦・ホンダ熊本-宮崎梅田学園】4回裏、ホンダ熊本2死三塁。浜岡が適時打を放ち5-0とリードを広げる=宮崎アイビースタジアム

 社会人野球の第91回都市対抗大会九州地区予選第6日は15日、宮崎市の宮崎アイビースタジアムで2試合を行い、熊本県勢のホンダ熊本(大津町)は第1代表決定戦で宮崎梅田学園(宮崎市)を5-4で破り、5年連続14度目の本大会出場を決めた。

 ホンダ熊本は初回、2死二塁から4番浜岡直人の左中間への二塁打で1点を先制し、二回は下位からの4連打などで3点を追加。四回には再び浜岡が適時打を放ち、5-0とリードを広げた。

 先発の横川楓薫ら投手陣は4併殺を奪うなどピンチを切り抜け、七回まで無失点。八回に2本の2点本塁打を浴びて1点差に迫られたが、救援の島袋圭亮が最終回を無失点で締めた。

 最終日の16日は第2代表決定戦の宮崎梅田学園-西部ガス(福岡市)を行い、勝者が九州地区代表の残り1枠を獲得。本大会は11月22日から東京ドームで行われる。

◇最年長・浜岡、攻守に存在感

 快勝ムードだった5-0の八回に2点本塁打2本を浴びて1点差。ホンダ熊本は宮崎梅田学園の猛追に肝を冷やしながら、リードを守り抜いた。渡辺正健監督は「何が起きるか分からないのが都市対抗予選の怖さ。勝てて良かった」と胸をなで下ろした。

 大一番で攻守に存在感を発揮したのはチーム最年長の35歳浜岡直人だ。4番に座った今大会は「ボールの見え方が良く、不思議な感覚がある」と、準決勝までの2試合で6安打3打点と絶好調。この日も初回に左中間を豪快に破って先制の走者を迎え入れると、4点リードの四回には2死三塁からしぶとく内野安打を放ち、5点目をもぎ取った。

 扇の要の捕手としては5投手を好リード。5-4に迫られ、なおも同点の走者を許した八回は相手ベンチが勢いづく中、「僕が舞い上がっては駄目」と率先して守備陣に声を掛け、落ち着かせた。後続を断った5番手の島袋圭亮は「浜岡さんは経験が違う。安心して投げられた」と感謝した。

 181センチ、100キロの堂々たる体格。近年は故障がちだったが、昨冬に若手と一緒にハードな練習をこなし、「今季は調子が良い」と手応えを感じていた。夏場までは若手2人が捕手を務めることも多かった。しかし、「打線の核となり、若い投手陣を引っ張ってほしい」という指揮官の期待に応え、今大会はフル出場を果たした。

 過去4年の本大会は2017年の1勝のみ。「まずは初戦突破に向け、できることを詰めていく。コロナや豪雨の被害を受けた熊本に元気を届けたい」。全国大会を知り尽くす大黒柱は、地元にささげる勝利を誓った。(河北英之)