高校制服、6千円アップ 「不公正な選考で保護者の負担増」 製造業者、熊本県を提訴

熊本日日新聞 | 2020年10月15日 12:30

 熊本県立高校の制服製造について、不透明な選考で大手業者が選ばれた上、価格も上がり保護者の負担が増したとして、熊本市中央区の制服製造販売会社「清新堂」が14日、県に約310万円の損害賠償を求めて熊本地裁に提訴した。

 訴状によると、同社は2018年7月、熊本農高が「デザインの見直しと保護者の経済的負担軽減」を掲げて実施した制服製造業者の選考に落選。選考は企画書のみだったが、7社のうち同社を含む2社しか価格を提示しておらず、それまで製造を担当していた企業が選ばれ、価格が以前より男女とも約6千円上がったことから、「目的に合わない不公正な選考」と主張。選ばれていた場合の利益を損害額とした。

 原告代理人の弁護士は「県教委の開示資料は採点部分など黒塗りが多く、選考過程が不透明。保護者の負担軽減のため、制服の製造販売の寡占状態について問題提起したい」と説明した。(國崎千晶)