「さらなる上へ」 大関昇進の正代、祝福と期待の声

熊本日日新聞 | 2020年9月30日 20:45

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大関昇進の伝達を受け、タイを手に写真に納まる正代。後列中央は父の巌さん、右は母親の理恵さん=30日午前、東京都墨田区の時津風部屋(代表撮影)

 「すごいことを成し遂げた」「さらなる上のステージへ」─。大相撲秋場所を初制覇した正代(28)=本名・正代直也、時津風部屋=が、熊本県出身力士として58年ぶりの大関昇進を果たした30日、両親をはじめ同級生や恩師、古里の宇土市民らから祝福や期待の声が相次いだ。

 「至誠一貫の精神で相撲道にまい進してまいります」-。正代の大関昇進が伝達された同日、父巖さん(60)と母理恵さん(56)も上京し、東京・両国の時津風部屋でわが子の口上を見届けた。巖さんは「すごいことをしたんだな、と改めて実感した」と晴れ舞台に感慨深げだ。

 2月末の帰省以来、久しぶりの再会。初優勝に大関昇進と二つの偉業を成し遂げ、「いつもと変わらないが、少し疲れていた」と巖さん。それでも金びょうぶを背にした紋付きはかま姿は威風堂々とし、「別人みたいだった」。宇土市の地元後援会の金田光生会長(68)も「落ち着いてはっきりと述べ、立派だった」と話した。

 理恵さんの脳裏にある「昔から優しくて、素直な子」は今も変わらない。最後まで誠意を貫くという意味の言葉を用いた口上に「簡単で気持ちが伝わりやすい。人柄も表れていて良かった」と目尻を下げた。

 記者会見後、昼食をとりながら、ようやく言葉を交わした。「(理恵さんの)手作りカレーを食べたい」「以前訪れた県内のステーキ店にもう一度行きたい」など、親子の会話を楽しんだ。

 両親には古里への思いもにじませ、「新型コロナウイルスもあるのでまだわからないが、本人は早く熊本に帰りたそうだった」と理恵さん。「お世話になった人たちへのあいさつや、熊本豪雨の被災地を訪問できたら」と話していたという。

 秋場所は白鵬、鶴竜の両横綱が休場。世代交代への期待の中、正代を含めた3大関が横綱候補と目される。巖さんも理恵さんも周囲の期待を実感しつつ、「病気やけがをせずに頑張ってくれたら」と親心をのぞかせた。(嶋田昇平)

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