「拉致された家族助けて」 熊本市出身の松木さんの姉ら菅首相に訴え

熊本日日新聞 | 2020年9月29日 21:30

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菅義偉首相と面会後、記者会見で思いを話す齊藤文代さん(中央)=29日、東京・永田町

 北朝鮮による拉致被害者の家族会は29日、官邸で菅義偉首相と面会し、熊本市出身の松木薫さん=失踪当時(26)=の姉、齊藤文代さん(75)=菊陽町=らが拉致問題の早期解決を訴えた。

 菅首相のほか、加藤勝信官房長官兼拉致問題担当相も同席。冒頭、菅首相が「多くの被害者が北朝鮮に残ったままで、申し訳ない思いだ。あらゆるチャンスを逃さず、活路を開きたい」と述べた。田口八重子さん=失踪当時(22)=の兄で、家族会代表の飯塚繁雄さん(82)は「具体的にこの問題を動かしてほしい。時間が大切だ」と訴えた。

 13歳の時に拉致された横田めぐみさんの母、横田早紀江さん(84)は、6月に夫の滋さん(87)を亡くした。「本当に苦しい毎日が続いている。みんなが日本の土を踏めるように、よろしくお願いします」と切実な思いを口にした。

 面会後、齊藤さんは「菅首相には、早く家族を助けて普通に戻してほしいと伝えた。力を絞り出して拉致問題を解決してほしい」と話した。(嶋田昇平)
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