初優勝、バンザイ! 正代の故郷・宇土市も興奮 花火20発も彩る

熊本日日新聞 | 2020年9月27日 22:02

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関脇正代が初優勝を決め、歓喜に包まれるパブリックビューイング会場。手前中央は父巖さん、同左は母理恵さん、同右は地元後援会の金田光生会長=27日午後5時20分ごろ、宇土市の市民体育館ecowin宇土アリーナ(高見伸)

 初優勝、バンザイ-。大相撲秋場所千秋楽の27日。優勝争い単独首位の関脇正代(28)=本名正代直也、時津風部屋=が歴史的な勝利を決めた瞬間、故郷熊本県宇土市の市民体育館ecowin宇土アリーナのパブリックビューイング会場に地鳴りが響いた。応援グッズを身に着けた後援会メンバーやまわし姿の相撲少年ら200人余りは、県出身力士初の快挙を大喜びした。

 正代が会場の大画面に姿を現すと、ボルテージも最高潮に。自然と「正代」コールが湧いた。そして行司の軍配が返り、激しく動き回る翔猿に土俵際に追い込まれると、悲鳴が上がった。だが、しぶとく回り込んで難敵を突き落とした瞬間、歓喜に変わった。

 前夜は眠れなかったという父巖さん(60)は「よくやった。誇らしい。今夜は良い酒が飲める」とこぼれんばかりの笑顔に。祈るように見守った母理恵さん(56)は、花道で涙ぐむ息子の姿にもらい泣きした。賜杯を抱く雄姿を目にすると「皆さんの応援があっての優勝。あそこにいるなんて信じられない」と感極まっていた。

 正代がかつて鍛錬した宇土少年相撲クラブの河野汰一主将(12)は「正代関みたいな強い押し相撲で将来は横綱になりたい」と興奮が冷めなかった。

 故郷への思い入れが強い正代は2016年の熊本地震後、宇土市や益城町、御船町などの仮設団地を訪ね、被災者と交流してきた。同市の元松茂樹市長は「地震の後に勇気づけてくれて、今回の優勝でさらに元気をもらえた。地元の誇りだ」と絶賛。すぐさま市民体育館前に懸垂幕を掲げ、初の凱旋[がいせん]時には「優勝パレードを」と意気込んだ。

 新入幕は16年初場所。その4月の熊本地震を機に、被災者の希望となるよう5月の夏場所以降、白星のたびに花火を打ち上げてきた後援会の金田光生会長(68)は「感無量。ここまで来たら頂点に立ち、県民に夢を届けてほしい」と綱とりを期待。忘れられない記念日となった夜、これまでで一番多い20発が宇土市の古里を彩った。(西國祥太、内田秀夫、後藤幸樹、井田真太郎)

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