菊池市竜門ダムに新キャンプ場 ダム湖噴水のライトアップも

熊本日日新聞 | 2020年9月25日 16:00

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新しくオープンしたキャンプ場で過ごす親子ら。奥は斑蛇口湖(竜門ダム)=菊池市

 熊本県菊池市龍門の斑蛇口湖(竜門ダム)にキャンプ場がオープンし、新たな観光資源として期待が高まっている。新型コロナウイルスの感染拡大で温泉など従来の観光が低迷する中、近年のキャンプブームを反転攻勢の足掛かりにしたい考えだ。

 19日に開かれた開所式。運営会社「MOFF」の緒方元一代表(44)は「菊池の資産であるダムを生かし、人が集う場所にしたい」と力を込めた。

 国土交通省のダム管理支所近くにある芝生広場を活用しており、名称は龍門地区にちなんだ「ドラゴンキャンプ場」。最大40のテントを張ることができ、初心者向けにテントや寝袋なども貸し出す。夜は湖に設置された噴水のライトアップも楽しめる。

 ダムは2002年に運用開始。湖は、国内有数のボート競技の常設コースとして知られている。ただ、周辺に公園や遊歩道が設けられているものの、一般の観光客を集めるには至っていなかった。

 緒方代表は「アウトドアの観光はコロナ禍に強く、キャンプは若者を中心に人気が高まっている。消毒液設置など対策に気を配りながら、これまでにないダム利用を提案したい」と意気込む。

 キャンプ場開設には、国交省も協力している。本来、河川敷では営業活動はできないが、社会実験として使用を認めた。今後は、利益を出すことなどを条件に占有許可を出すという。

 国交省菊池川河川事務所は「ダムの恩恵は上流域の犠牲の上にある。周辺が元気になることを願っている」と期待する。

 一方、菊池観光協会は、湖から約9キロ下流の隈府地区にある事務所で電動自転車のレンタルを始めた。旅館や商店の組合など5団体から寄贈された3台を備え、観光客などに貸し出す。

 キャンプ場の利用者らが、菊池渓谷や「世界かんがい施設遺産」に選ばれた農業用水路、鞠智城などへ足を延ばすことを期待しており、合志和洋会長(59)は「観光地を結ぶ手段として活用してほしい」と話している。(植木泰士)

 ◇メモ ドラゴンキャンプ場の営業は金~月曜日で、利用料は大人1300円、中学生以下700円(幼児無料)。テントの貸し出し(5千円~1万円)などもある。菊池観光協会の電動自転車レンタルは午前9時半~午後5時で1台4時間まで千円、終日1500円。同キャンプ場TEL0968(27)0011、同協会TEL0968(25)0513。