高森町職員、所得税400万円を着服 懲戒免職処分 

熊本日日新聞 | 2020年9月19日 09:00

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職員の懲戒処分で謝罪する草村大成町長(中央)ら=18日、高森町

 高森町は18日、臨時職員などの所得税計402万1586円を着服したとして、町税務課収納係の男性主査(36)を同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。

 町によると、主査は今年3月まで町会計課で職員給与や税金の支払い業務を担当し、通帳と印鑑を管理。昨年5月から今年3月にかけて1回23万円~97万円を計6回、臨時職員や議員の所得税を着服した。生活費や携帯ゲームの課金、約120万円の借金返済などに充てたという。

 町はインターネットを使った納税システムを導入しているが、正職員を除く少なくとも70人は入出金管理のため一時的に金庫に保管する慣例で、主査は所得税分の現金を保管する役割を担っていた。

 主査が税務課に異動後の今年6月、使途不明の支出金があることを町監査委員が指摘して発覚。本人が着服を認めたという。家族が全額返済したため刑事告訴しない方針。

 町は管理指導が不適正だったとして、当時の会計課長(59)を戒告。草村大成町長を減給10分の1(6カ月)の処分とした。草村町長は「町民の信頼を裏切り、大変申し訳ない。現金を扱わない仕組みを早急につくり、二度と不祥事を起こさないよう職員の意識徹底を図る」とコメントした。(上杉勇太)