熊本市のハザードマップ、ミスでほぼ見えず 台風接近中の3時間

熊本日日新聞 | 2020年9月16日 13:00

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統合型ハザードマップがほぼ閲覧できない状態になったことについて説明する大西一史市長=市議会棟

 熊本市は15日、台風10号が県内に向け接近中だった5日夜、浸水想定区域などを確認できる市の統合型ハザードマップのサイトが約3時間、ほぼ閲覧できない状態だったことを明らかにした。アクセス増に対応する「災害モード」に切り替えていなかったことなどが原因。市議会予算決算委員会総括質疑で、落水清弘氏(熊本自民)に答えた。

 市危機管理防災総室によると、1日の閲覧数は通常300人程度だったため、5日夕も1万人まで閲覧できる通常モードで対応。午後7時半ごろからアクセスが集中して閲覧不能になり、100万人に対応できる災害モードに切り替えた。だが、テレビの台風特別番組が市のサイトを県外にも紹介したためアクセスが急増し、午後10時半ごろまでほとんど閲覧できない状態が続いた。1カ所しかなかったサイトの入口を2カ所に増やすことで対応した。

 落水氏は「この接続不能事故はヒューマンエラー(人的ミス)だ。命にかかわる」と指摘。田中俊実政策局長は「市民にご迷惑を掛けて深くおわびする」と陳謝した。

 大西一史市長は「初歩的なミス。重要な情報発信が滞り、危機への備えが不十分だった。再発防止に向け、職員の意識改革を徹底したい」と強調した。(潮崎知博)