女性専用車両は「男性差別?」 熊本市電、県外中心に意見相次ぐ

熊本日日新聞 | 2020年9月15日 20:00

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熊本市交通局が14日から朝の通勤通学ラッシュ時に試験導入した女性専用車両=同市

 熊本市電で14日から12月28日まで試験運行中の「女性専用車両」について、計画を発表した9月初めから15日朝までに、「男性差別だ」という趣旨の意見が市交通局に88件寄せられた。県外からのメールや電話が多く、市交通局は「利用者ではなく県外からとは想定外だ」と困惑気味だ。

 平日の午前7、8時台に運行する車両のうち、2両編成の低床電車8本の後方車両を「女性専用」に設定。市電では年間数件、痴漢や盗撮といった被害の報告があり、朝のラッシュ時でも女性が安心して乗れるよう試験導入した。

 市交通局によると、15日朝までに寄せられた88件は「なぜ女性だけなのか」「男性専用も設けるべきだ」「性的少数者はどうするのか」などの意見。発信元が分かる48件のうち、県外が40件を占める一方、15日朝までに現場で利用者からの苦情はないという。

 市交通局運行管理課は「『女性専用』は一部の車両だけ。それも強制ではなく、あくまで協力をお願いしている」と理解を求めている。(太路秀紀)