スナック菓子の湖池屋、益城町に工場 来年7月稼働、九州の拠点へ

熊本日日新聞 | 2020年9月11日 11:30

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湖池屋が取得後に菓子工場の進出を計画している食品卸会社の施設=10日、益城町(福山聡一郎)

 ポテトチップスなどで知られるスナック菓子メーカーの湖池屋(東京)が、熊本県益城町に工場進出を計画していることが10日分かった。九州をカバーする拠点工場と位置付けており、年内に着工、来年7月の稼働を目指している。

 関係者によると、益城町宮園の県道(通称第二空港線)に近い食品卸会社の土地建物(敷地面積約2万平方メートル、床面積約8千平方メートル)を取得し、新工場を整備する。投資額は未定。新たに正社員60~80人の雇用が見込まれるという。

 同社の生産拠点は北海道、埼玉県、京都府にあるが、商品販売の伸びを踏まえて九州にも展開する。スナック菓子の製造や開発に加え、原料となるジャガイモの品種開発や保存方法の研究も進める予定。

 益城町は甚大な被害が出た熊本地震からの再建途上にあり、関係者からは「新型コロナウイルスの影響で県内経済が低迷する中、地域復興の後押しになる」と歓迎の声が上がっている。

 湖池屋は1953年創業で、日本で初めてポテトチップスの量産化に成功した。「カラムーチョ」「ポリンキー」などの定番商品をはじめ、近年は原料や製法にこだわった高付加価値のポテトチップスが好調という。

 2020年6月期の連結売上高は前期比11・1%増の377億3900万円。コロナ禍に伴う巣ごもり需要もあって売り上げを伸ばした。一方で、物流費が高止まりしており、生産体制や物流の見直しを検討していた。

 同社は「熊本県内に工場を建設する話はあるが、現時点で公表できる内容はない」としている。(中原功一朗)