「高浜ぶどう」たわわ 天草市で収穫、特産化へワイン造り

熊本日日新聞 | 2021年09月04日 14:30

「高浜ぶどう」を収穫する子ども=天草市
「高浜ぶどう」を収穫する子ども=天草市

 天草市天草町の高浜地区振興会は8月29日、特産品化に取り組んでいる「高浜ぶどう」を収穫した。収穫量は年々増えており、今年は2013年の収穫開始以来、最高となる805キロに上った。

 「高浜ぶどう」は、酸味と爽やかな甘さが特徴。1879年に中国から地区に伝わったとされており、1907年に与謝野鉄幹らが記した紀行文「五足の靴」でも紹介されている。

 20年ほど前、病気などによって原木1本にまで減ったが、2009年から挿し木などで数を増やし約100本にまで回復。13年からは振興会の高浜ブドウ会を中心に栽培を本格化させた。

 同日、振興会員や地区の子どもたち約50人が、30センチほどに実った房をはさみで次々と切り取った。ブドウ会の宇土寿美会長(55)は「長雨で水分が多く、酸味は少ないが甘い。良いワインになってほしい」と話す。

 収穫したブドウは熊本市のワイナリーに送り、白ワイン約800本を造る予定。11月下旬ごろ、1本3300円で地元の酒店で販売する。(谷川剛)

※2021年09月02日付 熊本日日新聞朝刊に掲載