大津駅前に焼き芋自販機 町特産の販路拡大へ宮崎から“誘致”
熊本日日新聞 | 2021年09月04日 14:07

カライモ産地のJR肥後大津駅前にお目見えした焼き芋の自動販売機=大津町

缶の中に特殊な袋に封入された焼き芋が入っており、缶は再利用される
カライモの産地、大津町のJR肥後大津駅前に25日、焼き芋の自動販売機がお目見えした。宮崎県の食品加工販売会社が全国各地で設置を進めており、カライモの販路拡大につなげたい町の熱意が通じ、“誘致”に成功した。
焼き芋は「冷」と「温」の2種類。レギュラー(190グラム)が500円、ハーフ(110グラム)が400円で、缶の中にパック詰めの焼き芋が入っている。早速、「冷」の焼き芋を購入した男子中学生は「めっちゃ甘くておいしい」と笑顔で頬張った。
自販機は、障害者の所得向上を目指す「農福産業」(宮崎県日向市)の児玉雄二社長が考案し、3年前から設置を始めた。宮崎県内の障害者施設と連携して栽培や加工、缶の回収や補充に取り組んでいる。
大津町商業観光課の岩下潤次課長は2月、大分県内で自販機に一目ぼれ。「町の玄関口で特産品をPRしたい」と同社に“ラブコール”を送り、設置が実現した。全国43カ所目で、県内では熊本市東区に続き2カ所目。
同社は現在、宮崎県産や西原村産の「紅はるか」を使っているが、今後、大津町では同町産のカライモを販売する予定。岩下課長は「将来は加工を受け持つなどして、障害者の就労にもつなげたい」と構想を描いた。(中村美弥子)
※2021年08月31日付 熊本日日新聞朝刊に掲載