統一地方選終わる 認識したい地方自治の役割

4月23日 09:02

 亥[い]年の統一地方選が終わった。少子高齢化と人口減少の荒波が押し寄せる中、選挙戦は全体的に低調に終わった。地方自治は危機にひんしていると言える。
 最大の課題は首長や議員の「なり手不足」だろう。前半戦の県議選(定数49)の候補者数は過去最少の60人。無投票区も半数超の12選挙区と過去最多を更新した。熊本など41道府県議選の無投票の議員の割合は過去最高の26・9%。4人に1人が住民の審判を受けずに議員になった事態は異様だ。
 特に深刻なのは人口が少ない町や村だ。県内では南小国、高森、湯前、水上の4町村長選と、玉東、津奈木、水上の3町村議選が無投票。全国の町村長選では全体の45・5%に当たる55町村、町村議選も93選挙区、23・3%に相当する988人が無投票となった。候補者が議員定数に届かない「定数割れ」も、津奈木町など全国で前回より倍増の8に上った。
 なり手不足の改善は待ったなしだ。女性や若者を議会に近づける議会改革の努力を進める一方、供託金を含め立候補のハードルを下げる制度改革も必要だろう。
 有権者の関心の低さも見逃せない。県議選では選挙となった9選挙区の平均投票率は46・53%。投票率41・66%だった熊本市議選とともに50%を切った。全国平均でも道府県議選の投票率が44・02%と過去最低を更新した。
 後半戦も、人吉市など5市町長選と14市町村議選(補選除く)の投票率は、議会の自主解散に伴い同日選となった錦町長選・町議選が前回を上回ったものの、計17選挙で前回の選挙より低下。全国でも、市長選が平均47・50%、市議選が45・57%、町村長選が65・23%、町村議選も59・70%といずれも最低を更新した。
 選択肢が乏しければ、選挙も低調に終わるという負のスパイラルに陥っているようにみえる。
 大都市部への人口流出が止まらず、各自治体は厳しい財政事情に直面する。従来のまま行政機構を維持していくのは困難になりつつある。限られた“資源”の中で、いかに地域を守り、活性化させるか、住民自身が知恵を絞るときだ。地域の問題は地域で決める、首長と議会がその車の両輪であることをもう一度認識したい。