相次ぐ銃乱射 国際レベルで再発防止を

4月20日 09:22

 1999年、米コロラド州デンバー郊外の高校で生徒2人が同級生ら13人を射殺、自分たちも自殺した「コロンバイン高校銃乱射事件」からきょうで20年がたった。

 マイケル・ムーア監督が事件を題材にドキュメンタリー映画を制作し米社会ではびこる銃犯罪を世界に告発したことで知られ、学校での安全対策が強化された。

 しかし、2016年6月にフロリダ州のナイトクラブの乱射で49人が死亡。17年10月にはラスベガスの野外コンサート会場で58人が犠牲となる米国史上最悪の銃乱射が起きるなど、その後も毎年2桁台の犠牲者を出す乱射事件が続いている。こうした惨劇が繰り返されてもなお、銃規制の動きが広がらない米国の現実に改めて目を向ける機会にしたい。

 乱射事件の現場は学校のほか、福祉施設や映画館、教会堂など、銃とは無関係な市民が集まる場所が目立つ。銃規制を求める声も高まっており、18年2月、フロリダ州の高校での乱射事件後に連邦規則が改正され、半自動式の銃に取り付けて全自動式並みの連射を可能にする特殊装置が禁止された。同州では銃を購入できる最低年齢を18歳から21歳に引き上げる法律も成立した。

 しかしこうした規制は限定的で、全米規模で規制を強化する動きには至っていない。国民による武装の権利を認めた合衆国憲法修正第2条が壁となっているためだ。

 16年の大統領選挙に際し、銃規制強化に反対する有力ロビー団体、全米ライフル協会(NRA)から献金を受けたトランプ大統領も、昨年開かれたNRAの年次大会で演説に立ち、「私たちは(修正第2条を)守る」と明言、擁護する立場を鮮明にした。

 銃規制へのトランプ氏のこうした姿勢や、移民を敵視する排外主義的な考え方が、他国に影響を及ぼし始めているとの指摘もある。

 先月15日、ニュージーランド南島のクライストチャーチで起きた乱射事件では2カ所のモスク(イスラム教礼拝所)が襲われ、50人が死亡。白人至上主義の容疑者はトランプ氏を「白人の新たなアイデンティティーの象徴」と位置付け、絶賛する声明を事件前に公表していた。

 まさに憂慮されていた事態である。二度とこうした悲劇を繰り返さないためにも、犯行の背景をしっかり見極め、銃規制強化などの再発防止策を国際レベルで進める必要がある。

 ニュージーランドの乱射事件直後、アーダン首相は「今こそ行動する時だ」と述べ、銃規制に乗り出した。今月10日には、乱射事件で使われた軍仕様の半自動小銃の所持や販売を禁じる銃規制法の改正案を議会が可決。既に市中に出回っている銃は国が買い上げ、回収には約225億円の費用を見込んでいるという。

 米大統領選は来年に迫る。ニュージーランドのように、米国が銃による悲劇を断ち切る大きな一歩を踏み出せるよう期待したい。