熊本地震の孤独死 高齢者の孤立防止が急務

4月16日 09:27

 熊本地震の本震から、きょうで3年になる。住まいを失った被災者のための災害公営住宅(復興住宅)の建設が各地で進む一方で、いまだに1万6千人を超える被災者が、仮住まいである仮設住宅で暮らしている。

 県によると、仮設住宅に身を寄せ、誰にもみとられずに亡くなる「孤独死」は、この3年間、確認されただけで計28人に上る。その大半は高齢者だ。孤立を防ぐ取り組みを急がなければならない。

 熊本地震による仮設住宅での孤独死が初めて確認されたのは2017年3月末。益城町の建設型仮設住宅で1人暮らしの男性(61)が死後5日ほどたった状態で見つかった。県が16年にさかのぼって調査した結果、孤独死は16年3人、17年13人、18年10人、今年も既に2人が確認されている。

 内訳は、自治体が民間アパートなどを借り上げて提供するみなし仮設住宅が最多の22人で、建設型仮設が4人、市営住宅などが2人となっている。

 みなし仮設での孤独死が目立つのは、被災者が住み慣れた土地を離れ、なじみのない人々に交じって暮らすことから、孤立化し周囲の見守りの目が届かないためとみられる。みなし仮設については、以前から被災者の生活実態が把握しにくいとの懸念が指摘されていたが、それが顕在化した形だ。

 震災関連の孤独死は、1995年1月の阪神・淡路大震災をきっかけに大きな社会問題となった。共同通信社のまとめでは、地震発生から14年までの20年間で孤独死は1097人に上った。

 このうち、仮設住宅での孤独死が年平均46・6人だったのに対し、その後被災者が移り住んだ復興住宅では同57・6人に増加した。同住宅では何の面識もない人が集まるケースが多く、これが孤独死につながっているとの指摘もある。

 入居者のうち65歳以上の高齢化率は5割を超えており、被災者の高齢化が進む中、問題はさらに深刻化の様相を見せている。

 東日本大震災でも11年3月の発生から今年3月までに岩手、宮城、福島3県の復興住宅で少なくとも55人の孤独死が確認されている。入居世帯の28%に当たる5820世帯が高齢者の1人暮らしだ。

 熊本でも、仮設住宅で生活する被災者の34%が高齢者世帯で、高齢者の1人暮らしは20%を占める。その多くが復興住宅への入居を予定しており、阪神・淡路、東日本大震災と同様、新天地での孤独死の発生が懸念される。

 東日本大震災の被災地では、自治体の多くが、社会福祉協議会などと連携して見回りや戸別訪問、交流サロンの開催などを展開している。熊本でも地震後、仮設住宅を地域支え合いセンターの担当者が訪問。住まい再建の進み具合や体調把握などしてきた。住民同士が声を掛け合い、集いの場を設けている仮設団地もある。

 復興住宅などへの移住が進む今後は、より一層こうした取り組みを進めていく必要がある。