統一選後半戦 地域の将来像描く論戦を

4月15日 09:32

 統一地方選の後半戦が14日スタートした。県内では人吉市長選と人吉、荒尾、水俣、合志の4市議選が告示。16日には錦町など8町村長選と補選含む14町村議選が告示され、いずれも21日に投開票される。

 後半戦は、折しも熊本地震から3年の節目と重なった。地震からの復興や被災者の生活再建はもちろん、加速する少子高齢化や人口減少といった課題にどう向き合い、地域社会を維持、発展させていくか。有権者が現状を見つめ、目指すべき将来像を思い描くことができるよう活発な論戦を期待したい。

 前半戦の県議選では、全体の半数を超える12選挙区が無投票となり過去最多を更新。全国で4番目に高い比率となった。後半戦も高森町長選など前回を三つ上回る七つの選挙で無投票が予想される。立候補者が定数に届くかどうかといった議員選もある。有権者にとって最も身近な市町村長・議員選で無投票が増える事態は深刻だ。

 投票率の低下も気にかかる。県議、熊本市議選ではともに投票率が50%を割り込み、過去最低となった。県内市町村の直近の議員選挙で前回投票率を上回ったのはわずか3市町、無投票を除く37市町村で下回った。

 日本の地方自治は首長と議会の二元代表制をとる。首長は住民の信任を得て行政を進め、議会は住民の意思を反映し首長をチェックする役割を担う。

 有権者の審判を受けない無投票が増え、白紙委任ととられかねない低投票率が続けば、議会と首長のなれ合いで政策決定がゆがめられる懸念がある。

 このままでは有権者との距離も広がるばかりで、地方自治の根幹さえ揺らぎかねない。有権者はそのことに危機感を持つべきだ。

 昨年7月に県町村議長会が実施した調査によると、議員の平均年齢は苓北町の69・8歳を最高に全体で63・6歳。平均在職年数は9・4年で最長の芦北町は15・8年に及ぶなど、世代交代はなかなか進まない。

 議員定数の削減も進む。今回、定数2減の10で改選を迎える小国町議選をはじめ13町村議会が既に定数を10以下まで減らしている。人口減少が進み、議員のなり手不足が深刻化する中、やむを得ない事情もあろうが、安易な定数削減は多様な意見の反映を狭め、さらに住民との距離を広げる結果になりかねない。

 県内では通年議会を導入するなど、議会を住民に近づけ、活性化する試みを続けている議会もある。女性や若者など多様な人材を引き入れるためにも、議会改革の努力を怠ってはならない。

 2017年の五木村議選では、盛岡市出身の村地域おこし協力隊員の女性が当選し、精力的に活動している。出自に関係なく地域の期待を担うことができる証左だろう。多様な価値観を持った人材を受け入れて生かす。地方政治の担い手不足解消には、地域の意識改革も必要ではないか。