プラスチックごみ 危機感持ち速やかに対応を

2月21日 09:38

 政府は現在審議中の2019年度予算案に、深刻化するプラスチックごみ関連費用として70億円を計上。ようやく本格的な対策に乗り出す。

 経済協力開発機構(OECD)によると、世界のプラスチックごみ発生量は年間3億トンを超えているが、このうちリサイクル利用されるのは15%程度にとどまっている。ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)などが16年に発表した報告書によると、少なくとも年間800万トン以上は海に流れ出ているという。このまま対策を取らなければ、50年には海洋中のプラスチックの重量がすべての魚の重量を上回る可能性がある-と警鐘を鳴らしている。

 中でも問題視されるのが、大きさが5ミリ以下の「マイクロプラスチック」だ。包装容器などのプラスチック製品が河川や海に流れ込み、波や紫外線などで劣化して細かくなったものだ。うち1割程度は、汚れや古い角質を落とす目的で洗顔料などに使われるマイクロビーズとみられている、

 ウィーン医科大などの研究チームは昨年、対象者が少ない予備的調査の段階ながら、日本や欧州など8カ国の人の便にマイクロプラスチックが含まれているのを確認したと発表した。ほかにも魚介類や水道水から検出されたという研究もある。

 マイクロプラスチックは、ダイオキシン類やポリ塩化ビフェニール(PCB)などの有害物質を吸着しやすいことから、魚介類などを通じて鳥類や人体に悪影響を及ぼす恐れが指摘されていたが、もはや“危機”は現実のものになっている。

 こうした状況にもかかわらず、日本は昨年6月の先進7カ国(G7)首脳会議では、ごみの削減目標を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」に、米国とともに署名せず批判を浴びた。国内の準備不足を理由に挙げていたが、その後、30年までに使い捨てプラスチック排出量を25%削減することなどを盛り込んだ「プラスチック資源循環戦略」案を策定。今年3月にも正式決定する見通しだ。

 これを受け編成した来年度予算案では、大別すると(1)現状の海洋ごみを削減する方策の検討(2)廃プラスチックを資源として国内循環させる技術・システムの構築(3)環境負荷が小さい「生分解性プラスチック」など代替素材の開発・新設備導入の支援-を柱にした。

 海洋国家であり、しかも環境先進国を自負する日本として、6月に大阪で開催される20カ国・地域(G20)首脳会合においてこの問題で世界をリードし、昨年のG7の“汚名返上”を図りたいという思惑も透けて見えるが、問題解決に向けて世界が動きだすのであれば歓迎したい。

 中国が昨年、プラスチックごみなどの資源ごみの輸入禁止に踏み切り、東南アジア各国にも同様の動きがある。腰を据えて効果的な対策を追求するとともに、危機感を持ち速やかに対応することも求められる。