同性婚訴訟 認め合い支え合う社会に

2月16日 09:13

 男性同士、女性同士が結婚できないのは憲法が保障する「婚姻の自由」や「法の下の平等」を侵害するとして、13組の同性カップルが全国4地裁で国に損害賠償を求める訴訟を起こした。

 欧米を中心に同性婚の法制化が進む中、日本では国が同性婚を認めないため法的・社会的にさまざまな不利益を強いられていると主張、誰もが自由に結婚できる社会の実現を訴えている。同性婚の合憲性を問う初の訴訟だ。

 同性カップルや性的少数者(LGBT)に対する偏見はなお残るものの、それらはその人が持って生まれた個性だという理解も広まる。社会は「多様な性」を認める方向へと大きく変化している。同性婚も、異性婚と同じようにその権利は守られるべきだ。国はこの現実と正面から向き合い、法整備を進めていく必要がある。

 憲法24条は婚姻を「両性の合意のみに基づいて成立する」と規定する。「両性」などの言葉から同性婚は認められないとする解釈がある。政府は「夫婦」はあくまで男性と女性で同性は認められないとの立場。安倍晋三首相も「現行憲法下、同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されていない」と答弁したことがある。

 他方、「同性婚を禁じているとは言えない」という解釈もある。原告らは24条について、家制度に縛られた明治民法下の婚姻を廃止し、個人の尊重と男女平等を実現するため、当事者の合意のみで結婚できるよう定められたと主張。同性婚の禁止ではないとする。

 さらに結婚するかどうか、誰とするか-を自分で決められないのは憲法13条の「個人の尊重」「幸福追求の権利」や、14条の「法の下の平等」にも反すると訴える。

 同性カップルを取り巻く状況を改善しようと、「パートナーシップ制度」を導入する自治体も増えつつある。自治体が同性カップルをパートナーと認めて証明書を発行し、病院などで夫婦と同等に扱われるようにする。

 ただ、結婚とは違って法的効力はなく実効性は限定的だ。同性カップルは互いに法定相続人になれないほか、子どもを育てる場合に共同親権を持てなかったり、税制上の配偶者控除を受けられかったりする不利益が残る。

 国際カップルの中には「就労ビザが切れたらパートナーは国に帰らなければならない」と苦境を訴える人もいる。「特別な権利が欲しいわけではない。求めているのは異性婚と同じ権利や義務」「国が同性婚を認めれば差別や偏見もなくなるはず」。当事者らの声にしっかり耳を傾けたい。

 同性婚は01年、オランダで初めて法制化された。現在カナダや米国など25カ国で可能だ。同性愛をタブー視するカトリックの総本山バチカンがあるイタリアでも、相続などで異性婚と同等の権利を認める制度が導入されている。

 時代とともに多様化する家族。互いにどう尊重し合い、支え合っていくか。法整備に向けた国民的な議論も深めていきたい。