北海道で震度7 突然襲う脅威への備えを

9月7日 09:17

 2年余り前の熊本地震の悪夢が呼び起こされる。

 6日未明、最大震度7の強い地震が北海道を襲った。複数の住宅が土砂崩れにのみ込まれ、震源に近い火力発電所が停止し北海道電力管内全域が一時停電する初の事態となった。まずは人命の救助と被災者の救援に全力を挙げてもらいたい。

 気象庁によると、震源地は胆振[いぶり]地方中東部で、震源の深さは37キロ。地震の規模はマグニチュード(M)6・7と推定される。震度7を観測したのは厚真[あつま]町。国内で震度7が観測されたのは2016年の熊本地震以来で、観測史上6回目だ。

 熊本地震は内陸の活断層が原因で、深さは約11~12キロと浅かった。今回の北海道の地震は陸側の地殻内で発生し、震源はやや深い。この周辺には地盤が上下方向にずれる「逆断層」があり、専門家は、この断層が短い時間に連続してずれたため強い揺れが長く続いた可能性があるという。

 強い揺れにより、震源に近い厚真町やむかわ町では土砂崩れや家屋倒壊などの大規模な被害が出ている。北海道では5日に台風21号や前線の影響による大雨で広い範囲で地盤が緩んでいる。今後も厳重な警戒が必要だ。

 1995年の阪神大震災の約260万戸を超える道内全ての約295万戸で停電が発生。一部は解消したが、世耕弘成経済産業相は電力の復旧には少なくとも1週間かかるとの見通しを示した。長引けば生活や経済にさまざまな影響が出てくる。早期の全面復旧へ全力を挙げて取り組んでほしい。

 今回の地震で震度2を観測した泊村にある北電泊原発は外部電源を一時喪失した。原発は現在停止中で、1~3号機の原子炉に核燃料は入っていなかったが、非常用発電機で使用済み燃料を貯蔵中のプールの冷却を続けた。

 北電は泊原発の再稼働を目指しているが、敷地内の断層に関するデータが不十分で原子力規制委員会の審査は停滞している。地震列島の上に建設されている原発の危うさを、改めて痛感した人も多かろう。

 道内の自治体では避難所が相次いで開設され、不安を抱える多くの住民が身を寄せている。熊本地震のように避難が長引くことも考慮し、体調を崩す人がいないか目配りできる態勢を早急に整えたい。高齢者や身体障害者など、自力での避難が難しい災害弱者への配慮も欠かせない。

 地盤の液状化現象が見られる地域もある。少しの揺れで、さらなる家屋倒壊や土砂崩れが発生しかねない。家具を固定し、危険な場所には近づかないようにして今後の揺れに備えてほしい。

 6月には大阪府北部を震源に震度6弱を観測する地震が発生したばかりだ。全国に活断層は2千以上あるといわれ、未知の活断層も多い。地震はいつどこでも起こり得るということを胸に刻み、突然襲う自然の脅威への備えを怠らないようにしたい。