熱中症 高齢者と子どもに目配りを

7月11日 09:11

 梅雨が明け、県内も本格的な夏を迎える。体が暑さに慣れず気温が急上昇するこの時期に注意したいのは熱中症だ。対策を心掛けて夏を乗り切りたい。

 熱中症は、暑さで体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温調節機能が低下して生じる体の不調だ。目まいや頭痛、吐き気、ひどい場合はけいれんや意識障害を起こし、死亡することもある。高温や多湿の状態で作業や運動をした時になりやすく、屋外だけでなく屋内でも発症する。

 総務省消防庁のまとめでは、昨年5~9月に全国で熱中症により救急搬送されたのは5万2984人、搬送先で死亡が確認されたのは48人だった。月別にみると、最も多いのは7月で2万6702人。発症場所は、庭を含む住居が最多の37・0%で、競技場や野外コンサート会場など不特定多数が出入りする場所の屋外部分が13・9%、道路が13・5%などとなっている。

 熱中症は重症化すれば命に関わる病気だが、適切な予防法を知っていれば防ぐことができる。日常生活における予防の基本は脱水と体温の上昇を抑えることだ。外出時や屋外での作業時だけでなく、屋内でも水分をこまめに補給し、多量に汗をかいた場合は塩分も取ることが必要になる。

 気温が35度を超え、熱中症になるような暑さが予想される場合、気象庁は「高温注意情報」を出して注意を呼び掛けている。また、環境省は気温と湿度、日差しの強さから熱中症の起きやすさを示した「暑さ指数」をホームページで公表している。こうした情報も活用したい。

 特に注意したいのは高齢者だ。昨年は65歳以上が搬送者全体の48・9%を占めた。高齢者は体内の水分が不足しがちな上、暑さに対する感覚機能や体の調整機能が低下しているためだ。のどの渇きや暑さを感じにくかったり、汗をかきにくくなったりして、自覚がないまま症状が重くなるリスクが高まる。

 要因の一つには、冷房使用時間が短く、使用する際でも設定温度が高いという高齢者に特徴的な冷房の使い方がある。体の冷えを嫌がることや、節電意識が理由とされるが、温湿度計を置いて室内温度をこまめにチェックしながら、エアコンや扇風機を上手に使いたい。

 体温調節能力が十分に発達していない子どもも熱中症にかかりやすい。スポーツ活動時などでは、のどの渇きに応じて水分を補給するよう習慣づける必要がある。特に乳幼児には注意が必要だ。気温が高い日の屋外では、子どもは地面からの照り返しで気温以上に暑く感じている恐れがある。また、たとえわずかな時間であろうと、乳幼児だけを残して車から離れるのも禁物だ。

 熱中症を疑われる人がいたら、涼しい場所へ避難させる、衣服を緩め首の回りや脇の下を冷やす、水分を補給する-などの処置が必要なことも知っておきたい。