国の震災支援 創造的復興へ法整備必要だ

4月16日 09:17

 「本震」と呼ばれる2度目の震度7を経験してから2年を迎えた。被災市町村では、公共インフラの復旧や被災者の生活・住まいの再建、被災後のまちづくりへ向けた懸命の努力が続く。一方で、その裏付けとなる財源の確保は不透明で、首長らからは将来の財政運営を不安視する声が絶えない。

 県が、2016年9月時点で試算した熊本地震による被害額は3兆7850億円。04年の新潟県中越地震で同県が推計した3兆円を上回る。併せて熊本県は、復旧・復興の事業費として県と市町村分を合わせ少なくとも約2兆6千億円が必要になるとも試算した。

 ただ、財源のほとんどは国に頼らざるを得ない。政府は熊本地震発生1カ月後、早期復旧へ向け総額7千億円を超える大型補正予算を編成。その後も県の復興基金の財源として510億円の特別交付税を配分、激甚災害法の対象外の事業でも補助率をかさ上げして地元負担を軽減するなど、さまざまな特例措置を講じてきた。

 それでも、被災市町村では地震で税収が落ち込み、復旧・復興に充てた長期起債もじわじわ財政を圧迫している。高齢化の進展に伴う経常経費の増加も避けられず、中長期的な財政運営は見通せない状況だ。

 東日本大震災では特例法をつくって国民に負担を求め、復興事業費のすべてを国費で賄い、被災自治体の財政負担を実質ゼロとした。熊本県や被災市町村は財源を確実に担保するため、東日本大震災のように特別措置法の制定を求める。

 しかし、政府は「地方交付税措置も合わせると事業ごとの被災自治体の負担はおおむね1%未満になり、現行法で十分対応できている」とする。たとえ1%でも、財政力の弱い自治体にとって負担は大きく、法律による財政の裏付けがなければ不安は拭えまい。

 特別立法を講じた東日本大震災と熊本地震とでなぜ差がつくのかも、いまひとつ判然としない。被害レベルを東日本大震災と同等とせず、新潟県中越地震並みとして線を引く-政府がそんな考えならば、国民にはっきり説明すべきだろう。

 熊本地震の発生以来、蒲島郁夫知事をはじめ被災地の首長らは復旧・復興へ向けた国の支援を仰ぐため陳情や要望を繰り返してきた。そうした構造が続く限り、財政力の乏しい地方自治体は大災害が起こるたびに霞が関や永田町詣でを繰り返さなければならない。

 防災は社会の生存や安全の基礎であり、災害列島・日本にとって国家の在り方そのものが問われる問題でもある。東日本大震災で示された国の手厚い支援水準が今後も維持されるのか。熊本地震はその分水嶺[れい]と言えよう。

 「創造的復興」を普遍化し、被災自治体が復旧・復興に集中できるようにするためには、やはり何らかの法整備が必要だろう。県は、東北や兵庫、新潟など震災を経験した他県とも連携し、粘り強く法制化を働き掛けてもらいたい。