豪雨被災企業 柔軟で速やかな支援必要

8月5日 08:04

 政府は、熊本豪雨で被災した中小企業の再建支援策を決定した。新型コロナウイルスの感染拡大でも打撃を受けるなど、複数の被害に見舞われた企業には手厚い支援を講じる。

 再建の断念や廃業を検討していた企業からは「未来への希望が持てる内容」と歓迎の声が上がる。できるだけ多くの企業が速やかに再建されるよう、政府には柔軟でスピード感を持った対応を求めたい。

 支援策は、予備費約1千億円を原資とする被災地支援「対策パッケージ」の中に盛り込まれた。目玉は「なりわい再建補助金」(新グループ補助金)の創設だ。工場や店舗、生産機械などの復旧費の最大4分の3を公費で支援する従来のグループ補助金を拡充。複数の企業の連携による申請という従来の要件をなくし、1社単独での申請に道を開いた。

 「自助努力」が原則だった事業復旧への公費投入を可能にしたグループ補助金だが、熊本地震では「グループを組むのに手間がかかる」といった声もあった。要件の緩和は被災企業にとっては手続きの簡素化にもつながる。申請のハードルも下がりそうだ。

 複数の被害に遭った企業への支援策も手厚くする。新型コロナ対策として実施する実質無利子・無担保融資の資金使途を災害復旧資金にまで拡大。新型コロナの影響を受けている企業が被災した場合には、自己負担部分を融資で賄えるようにした。熊本地震など過去の災害とコロナ禍、豪雨災害の「三重苦」に見舞われた企業に対しては、実質的に負担が生じない形で再建に取り組めるよう、上限5億円の特別支援枠も設ける。

 ただ、三重苦に対する支援については、過去の災害をどのような形で申告してもらうかなど、詳細は明らかになっていない。今のところ、罹災[りさい]証明書での申告や、売り上げの減少割合で線引きすることなどが想定されている。

 ただ、豪雨災害で被害が集中した県南地域は、熊本地震による被害は比較的少なかった。要件次第では特別枠の対象となる被災企業が絞り込まれる恐れもあり、注意が必要だ。できるだけ幅広い救済が実現するよう、個別の事情も踏まえた柔軟な運用を求めたい。