コロナ特別警報 正しく恐れ、冷静対処を

8月5日 08:02

 県と熊本市は4日、新型コロナウイルスに対する警戒レベルを最高の「レベル4(特別警報)」に引き上げた。大西一史市長は市民に外出自粛を呼びかけた。社会経済活動に一定の自制が働くことになろうが、いま一度ウイルスの特性を理解して正しく恐れ、冷静に対処することを心掛けたい。

 県・市が警戒区分を設けてから、最高の警戒レベルを発令したのは初めて。新規感染者数が1週間で130人を超えた上に、クラスター(感染者集団)が発生したことなどから特別警報に踏み切った。

 県内では7月下旬以降、3カ所でクラスターが判明した。熊本市の繁華街の接待を伴う飲食店では、男性客や女性従業員が次々に感染。長洲町の造船会社で社員やその家族ら、山鹿市の介護老人保健施設でも入所者ら多数が感染した。ほかに県外を訪問した人や小学校などからも感染が広がった。

 3日までの1週間に新規感染が28人となった熊本市では、そのうち15人の感染経路が不明だった。大西市長は4日、「日常的な外出はできる限り自粛してほしい」と呼び掛けた。

 蒲島郁夫知事も「県境を越えた不要不急の移動自粛」を県民に要請。週末からのお盆の休暇シーズンを前に、帰省の自粛も求めた。

 感染者は全国で増加傾向にある。国が緊急事態宣言の再発令に否定的な中で、危機感を強めた知事らは独自の判断で警告を発し、飲食店に時短営業や休業を要請している。

 緊急事態宣言が全面解除された5月末以降、国民の警戒心が緩んできたのは事実だろう。県内の特別警報を機に、日常での感染防止策を再度確認しておきたい。ソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保、マスクの着用、外出後の手洗いの徹底-などだ。「3密」になりがちな集まりや公共交通の利用には特に配慮が必要だ。知事が自粛を呼び掛けた帰省のほか、旅行、宴会などには細心の注意を払いたい。

 クラスターの発生に伴って、入院患者も急増している。県は計400の病床を確保しているが、今後も確実な受け入れ態勢を堅持してほしい。PCRなど検査態勢の増強も急いで進めてもらいたい。