避難生活 「関連死」防ぐ対策も急務

7月8日 07:11

 県南地域を中心に襲った豪雨災害では、家屋が流失や浸水などの被害を受け、多くの被災者が避難生活を余儀なくされている。

 県によると、7日午前6時時点で、19市町村に設置された139の避難所に466世帯、1893人が身を寄せているという。一方で、道路の寸断などにより孤立し、住民の安否が確認できない集落もまだ多く残されている。また、指定避難所ではない場所で、避難生活を送っている被災者も少なくないようだ。

 水道などのライフラインも被害を受けた被災地では、あらゆる面で生活困難に陥っている。一刻も早く被災者の現状を把握して支援の手を伸ばしたい。とともに、避難生活の長期化も予測される中、被災者の健康を維持して、避難生活に起因する「関連死」を防ぐ対策も急務だ。

 今回の豪雨は、新型コロナウイルス感染拡大後の初めての大規模災害であり、これまでにない衛生対策が求められている。

 県は5月、内閣府が示した避難所の新型コロナ対策を踏まえて、避難所運営の指針を各自治体に通知していた。

 3密を避けるために避難者ごとの間隔の確保(最低1メートル)や有症者専用スペースの設置などを要請した。民間の宿泊施設などできる限り多くの避難所を確保すると同時に、運営に当たる人員の増加を踏まえ、職員の配置計画の見直しや自主防災組織などの協力を求めることも提案していた。

 今回の被災地でも、体育館や公民館などの避難所で指針に沿った対策を実施。避難者同士の間隔を空けた上で卓球用のフェンスを間仕切りに活用したり、消毒液の利用やマスク着用を求めるなどのコロナ対策が講じられている。

 こまめな手洗いやうがいも心掛けたい。こうした衛生対策は食中毒などのほかの感染症を防ぐ上でも有効だ。高温下の今の時季は水分補給や冷房などの熱中症対策も欠かせない。周囲が体調不良の人に早めに気付く「見守り機能」も忘れてはならない。

 コロナ感染対策を巡っては、避難所以外への分散避難も提唱されていた。今回の災害でも、被災した自宅にとどまったり、友人・親戚宅や車中泊を選んだ人も少なくないようだ。

 県の指針は、こうした人たちが支援からもれた熊本地震での経験も踏まえ、指定避難所以外の避難者を把握する態勢づくりも求めていた。

 しかし、今回の豪雨で自身も被災し痛手を負った地元自治体に今、そこまでの余力はあるまい。さらに、これまでの災害で被災者支援の大きな力となっていた他地域からの民間ボランティアも、コロナ感染予防で被災地入りが当面制限されることが予想される。

 命を守る活動はこれからも長く続く。国、県、そして周辺自治体が、物資支援だけでなく人的支援も積極的に行って、被災者を心身ともに支える体制を早急に充実させることを求めたい。