学校再開 一体となって不安解消を

5月20日 05:44

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため休校を続けてきた県内の小中高校などは、6月1日に学校を再開する。3カ月近く続いた異例の休校が、子どもたちに与えた影響は計り知れない。

 入学や進級と時期が重なり、さまざまな不安を抱えたまま休校期間を過ごした子どもも多かろう。熊本日日新聞社が県内の小中学生に実施したアンケートでも、回答した約1万人のうち6割近くが不安を訴えた。学校と家庭、地域が一体となって、一つ一つ解消していきたい。

 学習面ではこの間、授業が大幅に遅れた。加えて、休校中の学習指導は学校によって異なった。市教育委員会が双方向型のオンライン学習を推奨した熊本市でも各校の対応に違いが生じ、格差の広がりを懸念する声が聞かれた。

 とりわけ受験生の不安は大きい。入試は学習の機会を等しく保障した上で実施されるべきだ。文部科学省や各教育委員会は、受験生が同じ条件で本番に臨めるよう対策を講じてもらいたい。

 登校することで、新型コロナに感染してしまうのではないかという健康面の不安も耳にする。持病などを抱える子どもがいる家庭の不安はなおさらだ。

 熊本市教委は感染への不安を理由に登校しない場合は欠席扱いにしないことを決めた。無理をして登校する理由が一つなくなれば、不安もその分和らぐだろう。こうした柔軟な対応はもっと広がってもいい。

 感染拡大の第2波に備える上で解決すべき課題も見えてきた。

 休校中のICT(情報通信技術)教育を巡っては、貸与するタブレット端末が足りずに十分な運用ができない学校が目立った。もっと環境が整備されれば、不登校の子どもとのやりとりなどにも生かせるのではないか。

 休校は安倍晋三首相の要請で始まり、延長、再開、再延長が発表されるたびに子どもや保護者は振り回された。どうなれば休校や学校再開となるのか。地域の感染状況を経路不明の患者数などの基準に従い3色で示す「大阪府新型コロナ警戒信号」のように、子どもたちにも分かりやすい指標を示してほしい。手洗いやマスク着用などの励行にもつながるはずだ。