補正予算成立 追加の支援を急ぐべきだ

5月2日 09:10

 新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、一律10万円給付などの緊急経済対策を盛り込んだ2020年度補正予算が成立した。生活や事業で困難に直面している人々や企業への支援がようやく始まる。

 しかし、緊急事態宣言の全国拡大もあって、政府が補正予算のメニューを検討していた時期に比べると事態は深刻化している。3月の有効求人倍率は1・39倍と3年半ぶりの低水準となり、完全失業率は2・5%で2カ月ぶりに悪化した。非正規労働者は3月だけで26万人も減った。今後はさらに厳しくなることが予想され、支援を求める声は一段と強まっている。

 6日に期限を迎える緊急事態宣言の延長も確実だ。政府は長期化に備えた追加の支援を急ぐべきだ。

 総額約25兆7千億円の補正予算の柱は、国民に一律10万円を給付する費用約12兆9千億円、中小・小規模事業者の資金繰り支援約3兆8千億円、収入が半減した中小企業などに最大200万円を給付する持続化給付金約2兆3千億円などだ。

 いずれも早急に行き渡らせる必要があるが、10万円給付を巡る政府の混乱なども影響し、大半は早くても大型連休明けになる見通しだ。手続きの簡略化などを進めて一刻も早い給付を実現してもらいたい。

 国のスピード感が乏しく、日を追うごとに影響を受ける人や業種が広がっていることを受けて、全国の自治体が国に先駆けて独自の支援策に乗り出している。県内でも、売り上げが減少した事業者らを支援するため、「貯金」にあたる財政調整基金を取り崩すなどして独自策を実施する自治体が相次ぐ。

 今後は全国的な財源不足が心配される。全国知事会は国に対し、休業要請に応じた事業者への協力金などに活用できる自治体向け臨時交付金1兆円の増額を要求している。補正で措置された予備費1兆5千億円の活用も含めた柔軟な検討が必要だろう。

 休業を余儀なくされ、売り上げが減少した小売業者や飲食店などには、家賃負担が重い足かせとなっている。野党は政府系金融機関が一時的に肩代わりしたり、賃料を減額した物件所有者へ国が補助したりできる法案を共同で提出した。自民党もプロジェクトチームを発足させており、与野党が協力して追加の支援策をまとめてもらいたい。アルバイト先の休業などで収入が減り、経済的苦境に陥った学生の支援策も早急に実現しなければならない。

 補正予算の財源は国債で全額賄われる。20年度一般会計歳出のうち、借金で賄う割合を示す公債依存度は、今回の補正で45・4%に上がった。景気の落ち込みで今後想定される大幅な税収減も考慮すると、さらなる悪化は確実だ。コロナ対策の長期化で早くも2次補正予算を求める声が高まる中、政府は厳しい財政運営を迫られる。