立民、国民合流見送り 政権担い得る政治勢力に

1月24日 08:03

 立憲民主党と国民民主党の合流が当面見送られることになった。開会中の通常国会で一つの党として臨み、安倍政権を追い詰める狙いだったが、合流の在り方や党名など根本的な課題で折り合わず、事実上の破談となった形だ。

 ただ、このままでは衆院選での共闘態勢の構築にも悪影響を及ぼしかねない。自民、公明の巨大与党に立ち向かうには、合流のいかんを問わず野党結集へ向け、仕切りなおしを急ぐべきだろう。

 両党の合流は昨年12月初め、立民の枝野幸男代表が、国民、社民両党党首らに提案。協議がスタートした。国民の玉木雄一郎代表も合流自体には前向きだったが、事実上の吸収合併を狙う立民側に対し、合流後の主導権を立民に握られるのを玉木氏らが警戒。結局、賛否が割れる党内をまとめられなかった。

 党内抗争に明け暮れ「決められない政治」に陥った旧民主党を想起させる。一つになろうとしたことで、かえって相互不信と溝の深さを際立たせた印象だ。

 共同通信が実施した最新の世論調査では、立民、国民両党の合併に「期待する」は2割強で、「期待しない」が7割近くを占めた。有権者の多くに選挙目当てと映っているのだろう。

 合流を巡るさらなる迷走は両党のイメージダウンになりかねず、仮に合流にこぎつけたとしても、旧民主党時代のような不協和音が何かにつけ表面化する可能性もあった。政策や理念を棚上げにしたままの拙速な決定はやはり慎むべきで、現時点での合流見送りはやむを得まい。

 とはいえ、安倍晋三首相自身に疑惑の目が向けられている「桜を見る会」や、統合型リゾート施設(IR)事業に絡む汚職事件などについて説明を求める国民の声は格段に強まっている。長期政権のおごりや緩みが目立つ中、政権の監視機能を果たすとともに政治に緊張感をもたらす上で、野党が政権としっかり対峙[たいじ]できる固まりになる意味は大きい。

 次期衆院選に向け、野党結集の核として立民、国民の両党が憲法や消費税といった主要政策で合意点を見いだし、緊密な選挙協力態勢を築くことが喫緊の課題であることは変わるまい。

 合流協議では、政策責任者間で国会での共闘や衆院選の共通政策づくりに向け協議を進める方針で一致したという。首相候補を統一するとともに主要政策を一致させた上で、自民、公明両党が続けているような「政党連合」とも呼ぶべき関係の構築を模索するのも一つの方策だろう。

 野党勢力の結集に関しては政策面で隔たりのある共産党や、れいわ新選組との関係をどうするかといった課題もある。立て直しに向け残された時間はそう多くない。

 立民、国民の両党が今後、感情的なしこりを引きずり、溝を深めるようなことがあれば民心はさらに離れよう。政権を担い得る政治勢力として、有権者が信頼し得る選択肢を示してもらいたい。