ラグビー日本代表 新たな歴史の扉を開けた

10月16日 09:20

 「桜の戦士」たちが新たな歴史の扉を開けた-。ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会で、日本は1次リーグA組最終戦でスコットランドを28-21で破り、9度目の出場で初めての8強入り、決勝トーナメント進出を決めた。

 世界のラグビーは長く「ティア1」と呼ばれる伝統の10強豪国・地域が君臨してきた。今回、日本はその「ティア1」に属するアイルランド、スコットランドを含む4戦を全勝。五輪、サッカーW杯に次ぐとされる国際的スポーツイベントで、世界を驚かせる快挙を成し遂げた。その意義の大きさは、ラグビー界だけにとどまるものではあるまい。

 大一番となったスコットランド戦は、これまでの日本ラグビーの集大成にふさわしい内容だった。

 前半早々に先制されたものの、先発したスクラムハーフの流大選手=荒尾(現・岱志)高出=らが、慌てることなくゲームをコントロールした。オフロードパスやキックという今回、特に技術を磨き上げてきた攻撃で連続トライを奪い逆転。終盤の猛追も必死のタックルでしのぎきった。

 横浜市で13日に開かれたスコットランド戦は、台風19号の影響で当日まで開催が危ぶまれた。選手たちも試合後のインタビューで語っていた通り、日本代表の奮闘ぶりが、少しでも被災地の人々らへの励ましになればと思う。

 20日の準々決勝で当たる南アフリカは、前回大会で破り「世紀の大番狂わせ」と言われた因縁の相手である。今回は雪辱を期し相当な覚悟で臨んでこよう。日本は逆に気負うことなく、伸び伸びとしたプレーで立ち向かってほしい。

 今回の日本代表選手31人のうち15人が外国出身者だ。自身もニュージーランド出身であるリーチ・マイケル主将は、外国出身者が多数を占めることについて、今年1月のインタビューで「これから日本がどんどんグローバルになり、いろいろな文化が混ざっていく。チームを見ていろいろ感じてほしい」と語っていた。

 多様な文化的背景を持つ選手たちが、「ワンチーム」のスローガンの下で共通の目標を目指す。その姿は国家の枠を超えたチームスポーツの純粋な魅力を教えてくれた。とともにそれは、多くの外国出身者が働き暮らし始めた日本の今と未来を映すものではないか。日本代表が開いた扉は、そうした社会の変化の象徴となろう。そして、国家、民族、宗教などでの分断が広がる世界へ向けての良きメッセージともなるはずだ。

 13日は熊本でもウェールズ-ウルグアイ戦が行われ、県内開催の全2試合を終えた。6日のフランス-トンガ戦と合わせ眼前で繰り広げられた熱戦は、県民と世界から来熊したファンたちを魅了した。ファンゾーンなどでの交流も含めつつがなく運営されたことに、関係者、特にボランティアの人たちの労を多としたい。そして、この成功を11月30日に県内で開幕する女子ハンドボール世界選手権にも、ぜひつなげたい。