消費税増税1週間 負担軽減策の検証が必要

10月9日 08:32

 消費税増税から1週間が過ぎた。大きな混乱はなかったものの、新たに始まった軽減税率やキャッシュレス決済時のポイント還元には戸惑いの声も多い。

 増税に伴う景気の悪化を懸念する声も広がる中、触れ込み通りの効果を上げているのか、利用しやすい制度になっているかなど、負担軽減策の現状の検証が必要だろう。

 政府は今回初めて、酒類を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率を導入した。ただ8%と10%の仕組みは複雑で、境界線はあいまいだ。コンビニではレジで申告せず、税率8%で商品を購入してイートインを利用する例が多数発生しているという。店員から声かけの必要がなく、申告せずに利用しても罰則がないためだが、現状のままでは制度の形骸化を招く恐れもある。

 キャッシュレス決済時のポイント還元策では、本来対象の中小事業者200万店のうち、75%がスタート時点では対応できていない。決済事業者の入力ミスから、本来5%の還元率が2%になったりするなどのトラブルも発生している。

 店舗、決済手段ごとのルールも浸透しておらず、ポイント還元を利用した消費者側からも戸惑いの声が出ている。その場で値引きされる主要コンビニ以外では、キャッシュレス決済しても、その場の支払いは現金での購入と同じ金額で、ポイントが付くまで時間がかかったり、口座から引き落とされるまで還元されなかったりする。そのため、「お得感」を体感しづらいとの声もある。

 キャッシュレス決済になじみのなかった高齢者は、増税後の利用にも消極的で還元の恩恵が薄い。そもそも顧客に高齢者が多い地方の店舗では、端末機購入などの負担を敬遠してキャッシュレス対応が進んでいない。世代間、地域間の不公平感にもつながる現状をどう改善していくかという課題も残されている。

 内閣府が7日発表した8月の景気動向指数は、4カ月ぶりに「悪化」となった。米中貿易摩擦による海外経済の減速が響いた形だが、今後は消費税増税による消費の落ち込みが懸念され、景気の腰折れが現実味を帯びてきた。共同通信社の全国世論調査でも、増税後の経済の先行きに「不安」「ある程度不安」を感じているとの回答は70%を超えている。

 安倍晋三首相は7日の衆院代表質問で「影響に十分目配りする。国内消費をしっかり下支えし、経済の好循環を確保する」と説明。追加の景気対策に含みを持たせたが、既に今回の増税では、国の本年度の増収分を上回る2兆円規模の対策が計上されている。今後の政策対応でも財政出動には限度があろう。

 軽減税率、ポイント還元という負担軽減策がどの程度機能しているのか。まずはこちらの検証をしっかり行った上で、制度改善の必要があれば早急に手掛けて、実効性を高めるべきだ。