熱中症対策 無理は禁物命守る備えを

8月1日 09:16

 きょうから8月。今年は遅い梅雨明けとなったため、本格的な暑さに体が追い付いていない人も少なくあるまい。そんな今、最も注意したいのが熱中症だ。予防を怠らず、細心の注意を払って夏を乗り切りたい。

 熱中症とは、暑さで体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温を調節する機能が低下することで生じる体の不調を指す。目まいや筋肉痛、汗が止まらないなど軽度な症状でも甘くみてはならない。症状が進めば頭痛や吐き気、ひどい場合はけいれんや意識障害を起こして死亡することもある。

 高温や多湿の状態で作業や運動をした際になりやすい。屋外だけでなく、屋内でも注意が必要だ。

 消防庁によると、「災害級の暑さ」が流行語にもなった昨年5~9月の熱中症による全国の救急搬送者は過去最多の9万5137人、死者は160人に上った。熊本県内でも1827人が救急搬送され、5人が死亡した。

 全国の搬送状況を週ごとにみると、各地で梅雨明けした7月9~15日に急増。翌週には、搬送者がピークとなる2万3191人に達した。今年に当てはめると、今週あたりが熱中症に最も注意が必要な時季、ということになる。

 搬送者を年代別にみると、65歳以上の高齢者が最も多く、全体の48・1%を占めた。高齢者は温度や湿度に対する感覚や体温の調整機能が低下しているため、自覚がないまま症状が重くなる危険性が高い。調節機能が未発達な乳幼児も注意が必要だ。ベビーカーでの外出など、晴れた日は地面に近いほど気温が高くなることも心得ておきたい。

 地震からの復旧・復興作業が続く熊本では、現場で働く人々の熱中症対策に一段と力を入れる必要がある。熊本労働局によれば、昨年1年間に県内の労働現場で熱中症を発症して治療を受けた人は過去最多の173人に上った。

 熱中症は重症化すると命にも関わるが、適切な予防策を施していれば未然に防ぐことができる。何より大切なのは、脱水を防ぎ、体温を上昇させないことだ。外出時や屋外での作業時に限らず、屋内にいる時も水分をこまめに補給したい。大量に汗をかいた時は、塩分も適切に補給する必要がある。

 室内でも、それぞれの部屋に温湿度計を置くなどきめ細やかな対策が必要だ。エアコンが苦手な人も、この時季だけはためらわずに使うべきだ。温度、湿度、風向きなどの調節機能があれば上手に活用し、快適な環境を保ちたい。

 気象庁の2週間気温予報によれば、熊本県内では明日以降、最高気温37度、最低気温26度という「猛暑日」かつ「熱帯夜」の日々が続く恐れがある。豪雨の際の「予防的避難」と同様に、絶対に無理をせず、不要不急の外出や作業は極力控えるなど、自らの命を守るための備えを万全にしたい。屋内の環境にも一層の注意を払い、少しでも体に異変を感じたら素人判断をせず周囲の助けを借りることも肝要だ。