4月22日付

4月22日 09:26

 明治、大正、昭和の63年にわたって国会議員を務めた「憲政の神様」尾崎行雄は、選挙標語づくりの達人でもあった。中でも有名なのが「出たい人より出したい人を」。投票する際の心得として、今も語り継がれている▼しかし、きのう幕を閉じた統一地方選では、投票する機会すら得られなかった有権者も多かったようだ。県内では9市町村長選と19市町村議選(補選含む)が実施されたが、このうち七つの選挙は無投票。中でも津奈木町議会は初の定数割れに終わった。県議選も12選挙区で無投票だった▼地方政治の担い手不足がここまで浮き彫りとなった統一選も珍しい。人口減少や「役職の重さが報酬などと比べて割に合わない」など、さまざまな要因が重なってのことではあろう。とはいえ、どこかで歯止めをかけなければ有権者の関心は薄れ、取り返しがつかなくなる▼当選した議員に真っ先に求めたいのも議会改革だ。定数是正、議員報酬や政務活動費の見直し、積極的な情報発信、女性や若い世代の議員を増やす工夫など、宿題は山ほどある▼自身の再選を危うくする改革もあるだろうが、保身に走っている場合ではあるまい。議員が議会改革にどれだけ熱心かは、次の選挙で有権者が投票する際の重要な判断材料にもなろう▼そして「出たい人」が減った今、有権者に求められるのは「出したい人」をいかに見つけ出すか、なのかも。地域の未来を託せる人材が身近にいないか。標語の意味をかみしめながら時間をかけて探したいものだ。