2月20日付

2月20日 09:30

 春の季語には「土」にまつわる言葉が幾つかある。その一つ「春の土」は、雪の下から現れる土であり、春の雨を十分に吸って芽吹きを待つ土である。「土恋し」「土現る」「土匂う」「土の春」。どれも、春の訪れをうれしく思う気持ちが伝わってくる▼昨日は二十四節気の雨水だった。降る雪が雨に変わるころで、県内でも雨が大地をしっとりと潤した。湿った土の匂いに、春を感じた人も少なくないだろう。土には心を和ませる何かがある▼ただ、土に砂が混じる土砂となると途端に心がざわついてくる。今は沖縄県民がそうではないか。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設で沿岸部への土砂投入が続いている。土砂採取の予定地には天草の名もある。沖縄防衛局が公開している資料によると、300万立方メートルの天草の土砂が埋め立てに使われる予定だ▼「沖縄の人たちが反対している状況で、天草の土砂が沖縄の海を埋めてしまうと、私たち熊本県民が加害者になってしまう」。土砂搬出に反対する団体のメンバーの言葉が、先日の本紙朝刊に載っていた▼辺野古移設の賛否を問う県民投票は今度の日曜だ。事前の世論調査では、投票に行くと答えた人の7割近くが「反対」で、政府は投票結果を尊重すべきだとの回答は8割を超えた。聞く耳を持たないような政府の姿勢に、県民の我慢も限界に近いのだろう▼春の季語である「雪解け」には、対立関係の緊張が緩むという意味もある。沖縄と政府の間には、いつ雪解けが訪れるのだろうか。